[BlueSky: 4278] Re:4270 プラシーボ効果


[From] Akifumi Murase [Date] Wed, 29 May 2002 00:54:33 +0900

阿部@イジャペルさん

邑瀬です。こんにちは。

阿部さん:
>  [4133]で井上さんは意見を求められていたので、意見を述べるの
> は別に問題では無いと思います。私が言いたかったのは、繰り返し
> に成りますが、『常識』的判断を『科学』的判断と偽って提示する
> 行為は止めて頂きたい、ということです。

了解です。

(中略失礼)

>  相手を上手く『騙す』には自分も『騙す』必要が有ります。また
> 大金を払えば『これだけの犠牲を払ったのだから効果は必ず有る』
> と信じ易くなるのも人のサガでしょう。

それはありますね。化粧品も高い方から売れるそうです。

>  現代医学では治せない病(老いや小さな不幸だってそうです)に
> 対して、『これなら治せる』と宣伝する『トンデモ』を否定するの
> も、やはり許容できませんか?。その『トンデモ』で救われた人々
> から、救いを奪い去ってしまいますか?。私には、そのような行為
> こそ、許容すべきではないと思えます。

実際に難病の人を前にするととてもこちらからは言えないです。それが人情と
いうものですね。

しかし一方で、近頃は宣伝の方がだんだんエスカレートしてきて、まさに「言
った者勝ち」と言ってもよいような感があります。また、症状がよくなるどこ
ろかかえって悪くなる例も少なからずあるのも事実です。人体に関わるものは
「救われた人」の数ではなくて、「悪化した人の数」の方が重視されます。ど
んな特効薬でも、重篤な副作用があれば使用禁止になることすらあるのです。
(もちろん阿部さんは「試しても当たり障りのない成分の物」のことを言って
おられるのだと承知の上でつけ加えています。)

何でもそうですが、自由が過ぎるとどこかで歯止めが必要になって、何らかの
規制がかかることになり、結局自分で自分の首をしめることになるのですが、
健康グッズで言えば今はその途上にあるという印象です。良い物までもなくな
らないためにも何らかの「お墨付き」は必要になってくるでしょうね。

私自身も難治性疾患で何回か入院したことがありますが、やはり中にはそうい
うものを信じている方がおられました。私の印象では完全に信じている人はわ
ずかで、ほかの多数は半信半疑で試しているといった感じでした。相部屋にな
ると当然自己紹介をしたりして、私が薬学をしていたことがわかると、ほぼ確
実に「これ試しているけど、実際はどうなんだ?」というような質問を先方か
らされます。ほどんどの人はもっと深く知りたがっているのですね。明らかに
かえって悪そうなものの場合以外は、「特に悪いものではありませんし、お値
段が高いとお感じでなければ続けられたらいかがですか。」と答えています。
それ以上は言えないというのが正直なところです。

>  科学を身につけてしまえば『トンデモ』に騙される能力を失なっ
> てしまいます。が、だからと言って、その能力を所有者の同意なし
> に奪う権利は無いと思います。まぁ、『科学』を身につけていなか
> った人々は、騙される能力を失なった時に『騙されていた』と怒る
> のかもしれませんが、騙されていた期間、彼らはその恩恵を受けて
> いた筈なので、決して不当な事では無いと思います。それでも、と
> 言われるのなら、私も「自由には必ず責任が伴う」と言わせて貰い
> ます。

「騙されていた期間、彼らはその恩恵を受けていた」とはなるほど面白いです
ね(^^)。環境に関して言えば、プラシーボ効果という定義すらないわけで、こ
れはまた別物になりますね。


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