小宮さん 新井さん みなさん
須賀です。
小宮さん:
> >お互い相手の文化を尊重して、相手を理解して問題解決
> >していきたいものですね。
新井さん:
> そうですね。ところで、こちら(イギリス)の新聞は日本人は基本的に捕鯨に賛成と
い
> う書き方なのですが、皆さんはどうお考えですか?
僕自身は、捕鯨のことをあまり勉強していないこともあって、それほど
はっきりした意見をもっているわけではありません。でも、なるほどな
と思っている考え方があります。自然保護団体のWWFジャパンがこの
4月に発表した意見です。
http://www.wwf.or.jp/marine/kujira/index.htm
このなかで、WWFジャパンは、賛成派と反対派というふうに意見を
ふたつにふりわけていることに解決をこばむ最大の原因があるとし、
「保護と持続的な利用の両立派」ともいうべき見方が必要だとして
います。また、そのためには資源としてのクジラを適正に管理する
制度が必要だとしています。
捕鯨をめぐる今の社会状況について具体的なことをあまり知らない
のですが、生物資源の保全と利用についての一般論としては妥当な
考え方にそっているのではないかと僕は思っています。
東京大学の松田裕之さんのホームページにも、生態学的に生物資源
の管理を研究する立場からのくわしい解説と意見表明があります。
松田さんは、WWFジャパンの主張を全面的に支持しています。
http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/whale.html
http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2002/whale1.html
http://cod.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/2002/whale2.html
僕自身は、日本国内で自然保護への理解をひろめるうえで、この意見
に注目があつまることがいい結果をうむのではないかと期待しています。
なぜなら、捕鯨問題で欧米の自然保護勢力が日本の文化を尊重しない
ということが理由で、自然保護活動への反発もっているかたがたが日本
にはすくなくないのではないかと推測しているからです。
つまり、クジラの問題が自然保護のシンボルとなっている面があるせいで、
ほかの自然保護問題にもいろいろ影響があると思っているからです。
この僕の推測が正しいかどうかはわかりませんが、こんなわけで、僕は
この意見に多くのみなさんの関心があつまることを期待しています。
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須賀 丈(すかたけし)
長野県自然保護研究所
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