[BlueSky: 4117] Re:4097 本当のゆとりって何?


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Fri, 10 May 2002 11:15:25 +0900

こんにちは、葛貫@雑談モードです。

連休前に、書きかけてそのままになってしまっていたのですが、
小宮さんwrote:
> 僕の知り合いの高校生に、ダンスを習っている子がいます。
> 中学の頃から体操やストリートダンスを始めて、将来は
> プロになるのが夢だとか。

私の友人は、最近、和太鼓を習い始めました。
以前から音楽が好きな人だったのですが、リズムとメロディの
両方を覚えなければならないピアノ等より、主にリズムと強弱
に集中すればいい太鼓の方が、気持ちよく(楽に? 自然に?)
演奏できるといようなことを言っていました。
プロ級になると、リズム・強弱のみで表現する難しさのような
ものが出てくるのでしょうけれど(^^;。

> ただでさえ覚えることが多くなってきているんだから、みんな
> がみんな同じように理数の知識を習得する必要はないのかも。

> 円周率の計算ができなくてもバック転ができたら、またその人
> なりに違った人生の捉え方、生きがいを見出すことができると
> 思うのですが。

【3772】にも書いたのですが、「私が感じ、思い、考えたことを」
伝える術として言語が発達し、文字が発達してきたのですよね。
でも、文学的(?)に表現されたものは、表現者の伝えたかった
質が伝わるかどうかというのは、受け手の感性に拠るところが
大きい。もっと、確実に再現できるかたちで伝え、残したいと願っ
た人が、その術として数学とか、科学を発展させてきたのでは、と
思われます。
「私が感じ、思い、考えたことを」を伝える、全く違う経路として、
音楽とか、絵画とか、ダンス、演劇等の芸術もあるのだと思います。

「個人」としては、自分が好きな表現方法をとればいいし、その術
を磨けばいいと思います。(表現する術を持たず、内側で渦巻いて
いる「何か」を抱えているのは苦しいことですよね、きっと。)
そういう意味で、選択肢が増え、適材適所で社会的なニッチを得て、
生活して行けるようになるとしたら、喜ばしいことですよね(^^)。

# でも、世の中と接するために一般常識というか共通言語は持って
# いた方が生きやすいし便利でしょうと高3の娘に言ってしまいます。
# お母さんの一般常識と私の一般常識は違うかもと言われると、いや、
# つい老婆心で、としか言いようがない(^^;;。

後藤健さんが【4099】でスッキリとまとめて下さった
「個人の幸せ」と「国家有為の人材の育成」の関係を考えると、
総和としてバランスがとれていればいいや、というような考え方を
する場合、全体の何%の人間が理数的な(因果関係をきちんと押さ
えて定量的にものごとを扱う)センスを持っていれば、
また、そのような人材がどう配置されれば、それほど大きな破綻を
来たさずに社会を運営して行けるのかなと、毎日新聞で連載されて
いる「理系白書」、特に『【3】中枢に理系が不可欠』という記事http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/science/hakusyo/03/03.html
を読んで思ってしまいました。

*****
 かずさDNA研究所の大石道夫所長が、一つのエピソードを
教えてくれた。研究者十数人に「今後、重要になる研究テーマは
何か」というアンケートをとったところ、全員、自分の研究を
挙げたというのだ。「日本の科学者は大局的、俯瞰(ふかん)的に
科学をみることが総じて下手だ」と大石さん。

 理系は論理的な判断をするが、自分の興味へのこだわりも強く、
大局を見失う傾向がある。幅広い視野を持つべく、理系自身も変
わらないといけない。
*****
という一節も心に残りました。

【4053】の阿部さんの
> ホントに
> 言いたかったのは、『みんな緑が好きでしょ?。好きなら増やせば
> いいじゃん』という話です。環境問題の原点はここに有る(エルゼ
> アール・ヴィフィユという架空の男の話や多くの宮崎アニメが世界
> 中で受け入れられている現実は同じ原点を指し示している)と思う
> のですが…。
を読んで、本当にそうそう(^^)、と思ったのですが、科学だって
研究者が、何を知りたいと思い、何に焦点を当てているのかという
「動機」の部分、その人が思い描き、実現したいと願っているユー
トピア像が垣間見えて、はじめて要するにどういうことなのかが
立体的に(?)浮かび上がってくるのだと思います。
科学もひとつの表現手法、自己主張の方法なのだと思います。

科学として表現されていない部分、言葉としてはとらえられている
もの、言語化されずに絵画や音楽、動き等で表現されているもの、
そういうものの中にも情報が沢山詰まっている。
文学とか芸術には、心の中に潜んでいる「〜たい(I hope,desire)」
を呼び覚まし、人を動かす力があるのかもしれない。
環境問題等、「質」を扱う問題には、重要なアイテム(?)になる
のではないかな、と思います。

自分の知識・感性には限界があり、全部のお話について行くのは
無理ですが(^^;、科学に限らず、いろいろな話題が提供され、
自分さえその気になれば新しい視野を持ったり、人とのつながり
をつくる「きっかけ」が得られるのが、このMLの面白いところ
なんじゃないかなと、私は思うのですが、MLに期待すること、
MLとのかかわり方・使い方は、人それぞれということでm(._.)m 。







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