[BlueSky: 4078] Re:4075 進化をまなぶ意味


[From] Ken Goto [Date] Wed, 24 Apr 2002 12:18:44 +0900

須賀さん、みなさん。
後藤@帯畜大です。

須賀さん【4075】:
> 梅棹忠夫がどこかで、「つらぬく論理」と「つらねる論理」という
> ことを言っていました。数学や物理はつらぬく論理、分類学や
> 切手収集はつらねる論理だと思ったらいいのではないかと思い
> ます。どちらも人間の知的活動のなかにふくまれている。
>
> 仕事でハチの分類の勉強をしたりするのがぜんぜん苦痛じゃ
> ないのですから、僕はかなり「つらねる論理」寄りのひとかも
> しれませんね。
僕も、結構、収集趣味はあります。

> ところが進化についての理論は、生物学に「つらぬく論理」を
> あたえているように思います。それがあるから分類や生態の
> 勉強が苦痛じゃない、ということが僕にはあります。
仮に、須賀さんが、ダーウィン以前に生まれていたとしたら、どうでしょ
うか?一気に飛んで、アリストテレスの時代なんか、どうでしょう?
「つらぬく論理」が「進化」だけではないことが分かるかもしれません。

須賀さんが蜂の分類を苦にしないのも、僕が憶測するに、須賀さんが蜂
を好きだからじゃないのでしょうか?

・・・この辺は、個人差があるかもしれませんが、例えば小学生時分の
僕が切手を収集していたとき、「気に入る」切手は集めましたが、
「気に入らない」切手を集めて、例えば、「シリーズを完成しよ
う」とはしませんでした。

と、思い起こしてみると、「シリーズを完成したい」という趣味
もまた、「つらねる論理」の立派な動機になりますね。シリーズ
の糸が、進化であろうと、神の意志であろうと、論理の中身は違
ういますが、「つらねる論理」のそれぞれの形であることにおい
て、少なくとも「形而上学的には」同じです、ね。

> そうですね。これにはまったく賛成です。僕も、結局大学で生態学
> なんかを勉強することにしたのは、高校の教科書じゃなくて、本屋
> で買った吉良竜夫や中尾佐助や梅棹忠夫などの京大探検学派?
> の本に夢中になって、こういうことをやりたい、と思ったからでした。
いい書物を読みましたね。僕も↑は読みましたが、もっとたちの悪いも
のまで読んでしまい、、、悪には染まりやすい、、、結局、進化につい
て一応合点できたのは、大野乾「遺伝子重複による進化」、アイゲン&
ヴィンクラー「自然と遊戯」を読んだ30歳前後のころのことです。生
物学を勉強しはじめてから10年前後かかったことになります。

・・・一時はサルの生態学でもやってみようかと思ったことがあります
が、結局、生理学方面に進みましたので、「悪に染まった」もの
の研究面での弊害はなかったのが、不幸中の幸いです。


> 英語など、僕は暗記科目だと思っていて、高校生のころは
> 本当に意味もなくおぼえなくちゃいけないような感じがいや
> でいやでたまりませんでした。でも意味があるとわかって
> いたらもっと楽しく勉強にとりくめたでしょう。僕は地理や
> 歴史の暗記はわりとすきだったのです。

英語は、まぁ、算数のような科目(習うより慣れよ?)として僕は勉強
しました。

・・・算数で暗記することが殆ど全くないように、英単語も、おのずと
覚えているものを覚えていればよいのです。受験英語になると、
あんまりふだん出てこない英熟語を暗記しなければならなかった
りしますけれど。

↑のような方式だと、学習時間を多くかければかけるほど「暗記」
量は減る、という関係になると思います(受験突破の方法論の問
題として)。

後藤 健
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生命を考える http://www.obihiro.ac.jp/~rhythms
帯畜大 生物リズム学 Phone (& Fax): 0155-49-5612


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