[BlueSky: 4077] Re:4075 進化をまなぶ意味


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Wed, 24 Apr 2002 12:15:17 +0900

こんにちは、葛貫です。

須賀さんwrote:
> 中学校でも、原始の海にうまれた単細胞
> 生物から長い年月のあいだにえだわかれして環境の変化や
> 絶滅をくりかえして、今のような多様な生物相からなる地球環境
> がうまれた、という進化の事実についてのおおまかなストーリー
> くらいは教えたほうがいいのではないかと思います。このくらい
> ならそんなに苦労しなくてもわかるだろうと思いますし。
> こういうストーリー性がナチュラルヒストリーの面白さのひとつ
> でもあると思いますから。

これを読んで、中学・高校生の頃、白鳥座X-1がブラックホールなのでは
ということが話題になって、綺麗な映像をまじえた「星の進化」に関する
番組を、ビデオが普及していなかった当時、定期試験の勉強そっちのけで
見ていたことを思い出しました。

150億年前のビックバン、ガスが集まって核融合が起こり、輝き始め
軽い元素から重い元素が次第にできて行き、、その星の重さ等の違いに
より、白色矮星になったり、赤色巨星になり爆発を起こし超新星になり、
星間ガスになって拡散したり、中心部で重力崩壊が起きれば中性子星や
ブラックホールができたりするという話、全部理解することはできなく
ても図書館で本を借りて、ずいぶん眺めました(^^)。

時期を合わせて、理科の授業で宇宙の誕生から今までを1年にたとえると、
というコスミック・カレンダーの話をして下さいました。

1月1日にビッグバンが起こり、5月1日に銀河系、9月9日に太陽、
9月14日に地球が生まれ、9月25日には地球に生命が誕生した。
12月24日に恐竜が姿を現し、30日に滅んだ。
12月31日午後10時30分人類が誕生し、12月31日午後11時59分50秒、
エジプト第一王朝。
人の目を通して記され、解読可能な歴史上のできごとは10秒分。

同時に、万物の根源に関するターレス(水)、アナクシメネス(空気)、
ヘラクレイトス(火)の説、これらに土を加えたエンペドクレスの
4元素説、第5元素を加えたアリストテレスの説、デモクリトスの原子論
等から、ボイルの気体の研究、シュタールのフロギストン説、定量を
はじめたラボアジェ、ドルトンの原子論に至るまで、当時の社会的な
背景、世界観をまじえながら、「物」や「エネルギー」に関する人の
認識の変遷を倫理社会の授業と連携をとりながら話して下さったように
記憶します。

自分が通っていたのは、中高一貫の小さな学校で、各教科の先生の連携も
良かったのだと思います。ものごとを語るために必要な語を覚えるのは
苦痛ではなかったし、理科が暗記科目という印象は、ほとんどありません
でした。

宇宙や生物の変遷を辿ること、神話等も含め、人が「宇宙の構造・しくみ」
をどう認識・解釈してきたか、ということを知ることは、面白かったし、
物やエネルギーを大きく動かす力を持ってしまった人が、「これから」を
つくるためにそれらを知っておくことは大切なことのように思われました。

でも、今、小〜高校の子供達の様子を見ていると、試験が終わるまで覚え
ていればいいんでしょ、みたいな感じで、数学まで暗記物になってしまって
いるような気がします。どうしてなんでしょうね。






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