おはようございます、葛貫です。
大塚さんwrote:
> 実験結果に対して、「人為的な[間違いの]結果ではないか?」という批判が
> 提出された。著者はまだ自説を引っ込めていないし、追加となるデータを集め
> てもいる。
> Nature の編集としては、論文の審査者などの意見も聞いて考えた結果、現
> 時点では論文掲載にいたる程の証拠が挙がっているとは言えないという結論に
> 達した。批判と著者の返答を掲載して読者の判断を待ちたい。
>
> といったことのようです。
フォローありがとうございます。
仕事柄、ポピュラーな科学誌の見出し、要約には目を通している
のですが、そのために費やす資金、時間や、能力に限界があって、
> 該当するのは Nature のページの
> http://www.nature.com/cgi-taf/DynaPage.taf?file=/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature740_fs.html
> の下の方に出てくる文ですね。
ここまで、読まないで投稿してしまいました m(_ _)m 。
> 日経の上記のページは嘘ではないけれども、ニュアンスが偏っているという
> 印象を受けました。孫引きで、「論文がまちがい」になりそう。
↑この会社は、そういう論調で載せたかったんでしょうね。
> その意味では、後に
> なってみると「気が変わった」ことはこれまでもたくさんあったと思うのです
> が、わざわざ編集者がこのような文章を載せるのは珍しいと思います。
> 私は分子生物学は素人なので、論文について判定する能力はありません。
> この調子で作付けが増えれば、遅かれ早かれ野生植物に伝播するとは思って
> いますが。
私も、そう思います。
今回の反論は、「実験操作に問題があった」と指摘しているだけで、
組み換え遺伝子の流出が起こらないということを証明しているわけ
ではない。
またまた要約しか読んでいないのですが、今週のNatureには、
Agricultural biotech: The rice squad
Christopher Surridge,Nature 416, 576-578 (11 April 2002)
という記事がありました。
Nature Japanのサイトhttp://www.natureasia.com/japan/index.html.ja
に以下の要約文が掲載されていました。
生態 : 「緑の革命」を再び
21世紀の世界の食糧をまかなっていくためには、第二の「緑の革命」
が必要で、そのためには、イネの生化学レベルでの遺伝子操作と言
う今までない大胆な遺伝工学の試みを行わなければならないと、今
週号のNews Featureで論じられている。
世界で最も重要な主食作物であるイネの生産は、この30年間に全世
界で3倍に増加した。同程度の増加が今後も見込めれば、人口増が
食料生産を追い越すことにはならずにすむだろう。
しかし、イネが日光をとらえ、そのエネルギーを使って炭水化物を
作る効率には上限があり、イネは速い勢いでこの限界に迫りつつある。
イネに再度遺伝子操作を加えて、生化学的、形態的に変えることに
よって、この上限を動かそうという植物学者たちの試みを、News
Featureが紹介している。
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Natureという雑誌は、それなりの判定を受けた、信憑性の高い学術
論文を載せる雑誌であるとともに、公開ディベートを行う雑誌なん
ですね。
人口増加の制限要因は、他にもいろいろあると思うのですが、
食糧がなければ、人口は増えようがなく、「今までない大胆な遺伝
工学の試みを行わなければ『な ら な い』」なんて、言い切れない
のでは、食糧の増産が人口増加をもたらしているとも考えられるの
ではないか、と思えてしまうのですが。
発展途上国では、一人一人にわたる食糧が減り、個々人の生残が
危ぶまれる状態でも、人口が増えてしまっているという現実が
あるようですが、食糧を増産しさえすれば、解決できる問題だ
とは思えないのですが・・・・。
上記の記事を読んで、今後、 『「緑の革命」を再び』のような
論調が強まって行くのかな、際限ないな、と思いました。
どのような反論が出てくるか、ちょっと、期待しています (^^)。
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