[BlueSky: 4056] [4055]


[From] Abe Yasushi(阿部靖志) [Date] Sun, 07 Apr 2002 22:49:14 -0400

阿部@イジャペルです。

at [BlueSky: 4055] Re:4053 環境問題は方便 Y.Kuzunuki さん
> アニメ化されたものを見たのですが、エルゼアール・ヴィフィユって、
> 荒れ地に独りで黙々とドングリを木を植え続けるひとのお話ですよね。
> 「木を植えた男」ジャン・ジオノ(著) フレデリック・バック(絵)
> 寺岡襄(訳)あすなろ書房 ISBN4-7515-1431-8

 そうです(^^)。フォローありがとうございます。多くの人に感動
を与え、読者の何人かは生き方を変えてしまった、とても短いフィ
クションの主人公が、エルゼアール・ヴィフィユです。

 その話が、あれだけ短いのにもかかわらず多くの人々に感動を与
えた、と言う事実を評価すれば、人は森を増やしたがっている、と
いう推論は、否定されるべきではないだろうと思うのです。

 人類の存在理由、などと大上段に振りかぶるつもりは無いのです
が、生物圏の維持管理に必要な能力を持ち、維持管理行動に快感を
憶えるのですから、人間にプログラムされた生存の目的の一つ位に
は、生物圏の維持管理行動があるのだろうと言う気がします(人間
に特有な、と言うつもりは無いです。為念)。

 もっとも、現実を動かしている人間の行動としては、その想いは
余り目立たないので、フィクションの中で表現されたそれを取り上
げてみました。


 宮崎アニメは日本文化を示す面白い存在だと思っています。アニ
ミズムの国から発信される、人以外の存在と人との対話や葛藤を描
いた『アニメーション』ですから(^^)(そういう意味では『ゲゲゲ
の鬼太郎』も当て嵌まるのですが、道具立てがローカル過ぎて日本
以外では理解されない、という気がします)。


> >  人間は神様じゃありません(神様を作ったのが人間だ、という話
> > があっても)。大体の方向が間違っていなければ、進んでみれば良
> > いのでは無いでしょうか。フィードがなければフィードバックも出
> > 来ませんから。
>
> これ↑拝読して思ったのですが、「風の谷のナウシカ」もクシャナが
> いなければ物語が進みませんよね、きっと。
> 「三国志」も、曹操がいなくて劉備とその仲間だけだったら、やはり
> 物語は進まなかった。
>
> バランスがとれている完成品なんてなくて、いろいろなベクトルを
> 持った動きがせめぎ合い、その中で、それなりの揺れ幅を持つ
> 「安定」を目指せば、いいのかもしれませんね。
> というか、そうすることしかできない(^^;。
> はじめは、振幅が大きく、その揺れの中で悪酔いしそうですが(^^;;。


 まさにカオス的安定、ですね。もっともシステム内部で翻弄され
る身には、やっとの想いで成し遂げた事も、システム外から観察す
れば、安定として許容される振幅の範囲、という事になるのかもし
れませんが(^^;。

 もっとも、システムは振動するだけじゃなく、構造の進化も伴う
ので、それはそれで良いとしましょう(^^)。


 元ネタのインタビューの方で、昔は急激な温度変化もあった、な
んて話もありましたが、ガイア理論で言われる生物圏のホメオスタ
シス機能も進化の過程で振幅を小さく纏められるようになった、と
考えれば、最近の温度変化が小さいのも頷ける話なのかもしれませ
ん。


 安定なシステム、という意味では、構成要素の新陳代謝はとても
重要な事なのかもしれません。そういう意味では、生物が死ぬのは
とても自然で当たり前の話なのでしょう。布教に来たキリスト教系
団体の人達と議論をしていて、そんなことを考えたことがあります。
元ネタのインタビューで出て来た哲学とは、そんなことを意味して
いたのだろうと思いました。



それではまた。 阿部 靖志


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