[BlueSky: 4054] [4051] ソーラークッカー・薪


[From] Abe Yasushi(阿部靖志) [Date] Fri, 05 Apr 2002 20:24:03 -0400

阿部@イジャペルです。


*ソーラークッカー
 調理を行なう女性が日中は薪や水を集めに出かけなくてはならな
いので、日中にしか調理できないソーラークッカーは広まらなかっ
た、という話を聞いたことがあります。

 去年、こちらのニュースでソーラークッカーで調理するレストラ
ンの話が有りました。パンやカスエラと言う肉野菜スープを作って
いましたが、レポーターによれば美味だったようです。チリの北半
分は余り雨が降らない(世界最乾のアタカマ砂漠もある)ので、ひ
ょっとしたら広まるかもしれません。

 もっとも家庭用燃料として一般的なガスが15kg約5千ペソ(日本
円で千円程度)、定食が一食1500ペソ(日本円で三百円程度)なの
で、火加減自在なガスに取って代わる事は無いと思いますが。

 いずれにせよ、煮込み料理やパン焼きには使える様なので、欧州
の食文化が入っている国では有効かもしれません。


*薪
 以前、アフリカに出かけた林学教授の話で、サヘルの某国では枯
れ木しか薪にしてはいけない、という法律があるので、生木の根を
傷つけてジワジワと殺し、枯れ木になった処で薪にしてしまうのだ、
という話を聞いたことがあります。

 東南アジアの某国では家庭内消費の薪採取だけで森林が後退して
いる、という話をテレビで見たことがあります。

 いずれも過剰な人口圧が森林ないしは灌木林を食いつぶしている、
という話です。

 アフリカの話はサヘルの後退に伴い移動した難民による人口圧の
上昇、東南アジアの話は新生児死亡率の低下がもたらした人口圧の
上昇が原因だったと記憶しています。

 一方、化石燃料を使える先進国では、薪を利用しなくなったこと
で森林が荒れて行っている、という話もあります。

 結論としては、先進国で薪の利用を、発展途上国で化石燃料の利
用を普及すべき、といった処でしょうか。


それではまた。 阿部 靖志


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