[BlueSky: 3955] Re:3954 虫は虫なりに一つの考え　（　排他的社会環境　）

[From] "gengorou" [Date] Sun, 24 Feb 2002 13:52:32 +0900

ゲンゴロウです。
小宮さん、いつも読んでいただき、また、
お考えを伝えていただきありがとうございます。

このメール、最初に伝えておきますが、
小宮さんのお考えを土台にして、
私なりの考えを、、さらに言ってしまってます。
また、長々と書きました。
また書いた自分でもよく分かっていないかもしれません。
よろしくお願いします。（ペコリ）

> 人がグループを作って排他的になりやすいのは、遺伝子によって
> 決められているから仕方がないことだと思います。どんな人でも
> 自分に近いものには親近感がわくし、自分と違うものには恐れや
> 敵意を抱き、排除しようとする傾向があるのでは？それは人間
> だけでなく、猿でもアリでも、集団生活を行う生物なら持っている
> 傾向でしょう。
>
> でも、僕らは人間ですから、そういった感情にそのまま
> 従うのではなく、広い視野で物事を捉え、理性的に判断し、
> 自分と違う人達のことを理解し、共生していく必要があると
> 思います。そうすれば、雪印のような事件も、あちこちで
> 起こっている汚職もなくなることでしょう。それには、個人が
> 集団によりかかることなく、自立して自分自身の考えで行動
> するようにならなくてはいけないと思います。例えグループから
> はみ出しても、仲間はずれにされて孤立しても、自分が
> 正しいと思うことは決然として行う。これからの社会で強く
> 生きていく人達はそういう人達ではないでしょうか。

小宮さんのご意見は、全体にしては反対はないのですが、
なぜか部分部分に、「そうなのかなぁ～」という感じを
持ってしまいます。で、最後の部分に特に感じることが
あります。部分部分は後にして、最後の部分に対して、
まず、私の受けた印象と意見をいいます。

小宮さんのお話の
「自立して自分自身の考えで行動するようにならなく
　てはいけないと思います。例えグループからはみ出
　しても、仲間はずれにされて孤立しても、自分が正
　しいと思うことは決然として行う。これからの社会
　で強く生きていく人達はそういう人達ではないでし
　ょうか。」の部分ですが、、
現実では、自分の道を進む人はこの考えを持っていま
すが、これ、強い排除主義でもあるような気がします。
排除を生む一つの考え方に似ているような気がしまし
た。自分を独立した存在にするということは、他を自
分から遠ざけることにもなるような、そんな気が。。
つまり、排除に対処するために、排除を行うということで、
まさにスパイラル排除循環の中の一つで、排除的社会環境
を形作っている一つの考え方だと思います。
私も含めて、排除社会に対処する時に、これが多くある
な～と思いました。。

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

では、部分部分を考えてみます。

－－－「遺伝子のふるまい」と「人間のふるまい」－－－－

小宮さんの
「人がグループを作って排他的になりやすいのは、
　遺伝子によって決められているから仕方がない
　ことだと思います。」ですが、、、、
私たちは、「遺伝子とどのような関係にあるのか」という問題が、
ここでは、問題になるようです。

私たちは遺伝子に全て操作されているわけではなく、遺伝子が
作り出したメカニズムの中にいると思います。。
で、次のようなことを考えます。
①人間は、けっこう遺伝子に逆らおうともしている。
②遺伝子は、生物の営みの結果、プログラムされてきた。
　遺伝子の親は「その時々の生物」かもしれない。
③人間の行為には、遺伝子の仕業に思考的に対処した結果もある。
などです。

遺伝子について考え、小宮さんの示した一つの例を考えると、
それとまったく反対のことも考えられます。
「自分に近い物を排除したり、異質なものに好感を抱く」という、
妙なことも遺伝子はしているように見えます。
遺伝子レベルで、物事をあれこれ考えてみると、
まるで遺伝子は自らを攪乱しながら生き抜く道を探しているようです。

私たちはその遺伝子の行いの中で翻弄されているのか？
中ではなくて、上に乗って、なんとか出来る生物であるのか？
あるいは、私たちは遺伝子群（地球上の全生物）にとって、
新たな試みの存在になっているのか？
なんてことも考えてしまいます。

このようなことを知った人間の一部には、
「遺伝子の仕業こそが神の意思」であるように見えてしまう
人もいるような気がします。
人の行い（思考や想いも含めて）は、すべてが遺伝子の仕業、、、。
私も、そう感じずにはいられませんが、これはある意味、
「遺伝子崇拝」とも言え、その遺伝子崇拝の前には、
人間はさからえない、「宗教」に似たものを出現させるような
気もします。あきらめが安堵を生ませたり。。。。
膨大な試行錯誤が神秘性をおびたり。。。

そして、「宗教」と連想してくると、やはり、なにか、
「遺伝子の所行」の発見が、多くの科学から科学的な思考を
奪い、再び「暗黒の時代」をもたらすことにもなるような
気がします。
人間の所行に、遺伝子の所行は、ほんとに多く関係して
いると思いますが、人間の所行には、その遺伝子の所行に
逆らおうとする方向性もあるような気がします。

全ては遺伝子の世界の中のこととしてしまうと、
人間の「意識と肉体」の融合から生まれている崇高な物事を、
考慮から外してしまうこともあり、もしかすると、私たちをまた
原始的存在に戻して考えてしまうことにもなるような気がします。
私たちは、遺伝子の所行（ふるまい）の上にはいますが、
もう、「ふるまい」の中にいる存在ではないと、
私は思います。

－－－－
ところで、話を、崇高な場所から、俗っぽい話？にもどします。
「排他」という現象を、ちょっと考えてみると、
見る観点から、一つの事柄の中に二つの事柄があるようです。
①好む結果に起きる集団化、それに伴い起きる排他（の傾向）。
②嫌う結果に起きる排除、それに伴い起きる集団化（の傾向）。
排他と集団化とは表裏一体の関係があるようですね。

さらに、しつこく考えてみると、
集団化の原因には、このほかにもあると思います。
たとえば、社会活動をして行く上に、効率を求めたりするために、
必要な人間を集めるのも、そうかもしれません。
これも遺伝子的な仕組みの延長上にあるのかもしれません。
また、敵から襲われるときの対処で集団化が種に遺伝的にプール
されたとか、などもあるようです。
ということを考えると、遺伝子は何によってプログラムされたか？
ですが、、、それは、生物の判断と決断の営みによってかもしれません。
つまり、遺伝子が、全ての元とは言えないということを意味してますね。
人間の遺伝子は、人間の思考と判断によってもプログラムされて行く。。
と考えられます。
（また、遺伝子の話になってしまった・・・）

－－－集団の中に生まれる集団化（排他）－－－－－
で、私の「排他」の話。。。
小宮さんの話してくれたそれと似ているようなのですが、
実は、ちょっと違ってます。
私の「排他の話」は、グループ化する際の排他性ではなくて、
集団が出来上がった後にその集団の中に現れる排他性。
遺伝子的な味方から、あえて言うと、遺伝子の仕業の上での
人間の脳の仕業を考えているというか、、、、です。
私の話のその部分を再度書きますと↓

「（人間は）すでに出来上がった集団の中でも孤立することを
　嫌ったり、孤立する状況を惨めと感じたり、孤立しているこ
　とが劣っていると感じたりして、孤立していない場合でも孤
　立することを恐れている。そして、自分以外に孤立する者を
　作り出し、その対極に自分を置くことで、孤立の恐怖から逃
　れようとしているような気がしてならない。この様にして、
　私たち人間には（集団を作った直後から再び）排他的な傾向
　行為が生まれてしまっているように思う。」
　　※（　）内は、補足しました。

つまり、「孤立の恐怖」が、人間の集団内では、他の原因よりも
大きく人間の行動に影響を与えていると、思えたのです。
恐怖ももちろん遺伝子プログラムの中でのことかもしれません。
が、一方で、恐怖とは、人間が未来予測を知ったことで生まれた
ものであるとも思うので、排除は未来予測能力がある人間ならで
はの、行動原因もあるのではないかと考えたわけです。

動物の群で、個体が群の中心に潜り込む動きとしてあるように、
遺伝子の仕業の延長上にある本能なのかもしれません。・・が、
それだけではなく、それとは不可分の状態で、人間ならではの
「未来予測が促す孤立の恐怖」も、働いてあると思います。
（未来予測も、もしかすると、人間独自が持つ能力とは、言えな
いかもしれません。なぜなら、前に早く進む動物には、ある程度は、
未来予測という能力がなければ、進めないと思いますので。。。。）

> でも、僕らは人間ですから、そういった感情にそのまま
> 従うのではなく、広い視野で物事を捉え、理性的に判断し、
> 自分と違う人達のことを理解し、共生していく必要があると
> 思います。そうすれば、雪印のような事件も、あちこちで
> 起こっている汚職もなくなることでしょう。

排他が人間に起こす様々な事柄があるとすれば、遺伝子的で
あろうと、なかろうと、とにかく理性の力が必要ですね。
問題は、どう対処するかなのですが、、、私としては、
対処する前に「知る」ということの重要性をあげたいです。

－－知るるということの重要性について－－－
「原因の発見」とその「対処」の間に、「知る」という
ことをもっと重要視することが大切だと想います。
私たちは、どういう思考パターンを持つ生物であるのか、
また、どういう本能がどのように複雑に錯綜しているのか
を、知ることだけでも、実は、「恐怖」にまで発展させない
ことが出来るのではないでしょうか。
小宮さんのお話の中にも、もちろん前提として、「知る」は
あると、思うのですが、ちょっと、対処に押されて、
見えなくなってしまっていると思いました。

問題に対して「知る」ということは、それを知り得た時点で、
かなり解決できるような気がします。さらに、「誰もが知る
こと」が、とっても重要だと思います。そして、
「知っている」人たちは、かえってそれを「知らない」という
ことが、どういうことかを「知らない」かもしれません。

> それには、個人が
> 集団によりかかることなく、自立して自分自身の考えで行動
> するようにならなくてはいけないと思います。例えグループから
> はみ出しても、仲間はずれにされて孤立しても、自分が
> 正しいと思うことは決然として行う。これからの社会で強く
> 生きていく人達はそういう人達ではないでしょうか。

このご意見には、私も、諸手をあげて賛同をしたくなって
しまいます。。が、あえて、、言わせてください↓

－－－楽な対処－－－
孤立しても強く生きて行くことは難しく、一人でも
生きてける人間は、極々少人数だと思います。そして、
孤立して生きている人間のほとんどは、「変人」扱いにさ
れてしまうのではないかと思います。。。そうだとすれば、
優れた考えの持ち主こそが「変人」扱いされ、孤立化して
死んで行くこともおこりえるわけで。。。もったいない気
がします。
それから、
一人で強く生きるは、ほんとに大変なことなので、孤立し
てしまうことにより、まともでなくなる人もおり、まとも
でなくなった人によって、悲惨な事件も起きている可能性
が多いのではないかと考えます。
これらのことを考えると、強い信念でこれを乗り切ろうとか、
強い想いに期待することは、やめたほうがいいのではないか
と思うのです。

じゃあ、どうしたらいいんだ！なのですが、、私としては、
一つの考えで前にも言ったことがあるのですが、、
「恐い。。。」を、素直に言える社会が来たらいいな～と
思ってます。恐いという感情こそ原始的な感情で、人間は
それに逆らえないのですから、だれもが恐いということを
言える社会がくれば、互いが「恐いことは悪くない」ことだと
理解できて、互いに「恐いことを相手に行わない」世の中が
生まれるのではないかと思います。
弱くて臆病だから集団化する性質が人間にあるのに、「恐い」
を言えないで、「頑張る」というのは、なんか無理がある
ように思います。私は、恐がりな人が排除をすると考えて
いますので、恐がりな人に頑張れ！は、、まずいのでは
ないかと思えます。
もちろん、一人でも強く生きていける人は、それはそれで
いいのですが、それは、外から見ると、排除される側として、
排除社会を作っている一人になってしまうかもしれません。
私の言っていること、理想を言っているのかもしれませんが、
大きな社会は無理にしても、夫婦、恋人同士、友達、会社、
家族、学校、教室などでは、これ、けっこう出来ることでは
ないかと、そんな気がします。

－－－－－

排除される可能性を人間が予測することから生まれる「恐れ」、
つまり、「遺伝子起こす人間の行為に対して、私たちが対処しようと
する時に生まれる感情（恐れ）が、自分たちの中の「誰にでもある」
と、誰もが知ることが出来たなら、それだけでも、この世界から
人間的な排除が少しは消えそうな気がするのですが。。。
それに、一人で頑張るよりも、みんなで「恐い！」というほうが、
簡単で楽な気がします。。。

> 「人間は全て例外である」－ロシアの哲学者ベルジャエフ
> （人が一人生きているということは、他と異なるひとつの
> 例外が存在しているということ）

このこと↑も、「知る」だけ、それだけでもかなり楽（有用）です。

******************************************************
理想家＠ゲンゴロウでした。。

▲前の記事へ　 ▼次の記事へ　 △記事索引へ　 △青空ＭＬトップへ

（注）この記事が最新である場合，上記「次の記事へ」はデッドリンクです。

[BlueSky: 3955] Re:3954 虫は虫なりに一つの考え （ 排他的社会環境 ）

[From] "gengorou" [Date] Sun, 24 Feb 2002 13:52:32 +0900

▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空ＭＬトップへ

[BlueSky: 3955] Re:3954 虫は虫なりに一つの考え　（　排他的社会環境　）

▲前の記事へ　 ▼次の記事へ　 △記事索引へ　 △青空ＭＬトップへ