邑瀬さん
後藤@環境NPO研究会です。レス遅くなってすみません。
さわぐちさん、回答ありがとうございます。。
むらせさん:
> 正確には、..ということですね。ですので、一般の寄附金
>としてならば、損金扱いにできます..
> ..その話とは別に単なる質問で
> すが、実際問題として「一般の寄附金」から「特定公益法人に対する寄附金」
> の枠になったところでメリットはどの程度あるのでしょうか?つまり、寄附
> する側の立場として、寄附する対象(この場合はNPO)が「一般枠」から
> 「特別枠」になるということがどの程度重要なのか、という素朴な疑問です..
現行の特定公益増進法人等に対する寄付を行った場合の寄付金控除は、
「寄付金額と総所得額の25%を比較して、いずれか少ない方の金額から
1万円を差し引いた額を所得から控除できる」..です。
また、NPO法人が同様の枠になった場合の寄附者のメリットは「極めて
少ない」です。仮に時間をかけて税務署まで寄附控除の申請に行っても、
労力と返って来る額の割が合いません。そこで、先般のNPO税制改正を
受けて、相続や遺贈の寄付に対する課税控除の点をNPOセクターは狙う
べし、という実際的な意見もあります(参考:下記文章)。
ただ、前メールでは触れませんでしたが、NPO支援税制でもう一つ
大切なことに「法人課税」の軽減措置や、非営利活動に伴う所得税、
地方税の法人住民税などの軽減措置があります。
特に、NPO法上の「収益事業」で得た収入を、その法人が行う「本来
事業」(同法規定)にあてた場合に、寄附とみなして法人税を減額する
、いわゆる「みなし寄附」制度が求められています。シーズなどのNPO
連絡会も、「一部を寄附とみなす..」と譲歩して行政とすり合わせして来
ましたが、これは前改正では盛り込まれませんでした。
「寄附控除」と「みなし寄附」。これらがそろって、さらに郵便代や家賃
補助などのインフラ面での助成が充実すると、社会的なNPO支援の
土台が構築され、ようやく自立した活動を展開できるようになると思い
ます。
現行NPO法が多くの修正を受け、骨抜きにされながらも成立した意味
は、とにかく日本にはこうした制度が全くなかったのだから、「まず制度
ありき」の意味で法律をつくり、何年もかけて良くして行けば、いつかは
NGO/NPOが自由に活動できる時代が来るからです。
ではでは。
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後 藤 隆 [ Takashi Goto ]
E-mail: takapi-@sf6.so-net.ne.jp
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(参考:うちの会員Y氏が、今年2月に行ってきた寄付控除の体験報告。
(一部ばっすい)
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☆Y氏の核たる意見=NPO税制改正については、「相続・遺贈の寄付
に対する課税控除」こそが寄付者への実質的利益として我々が追求
すべき点ではなかろうか...
(以下レポート)
わたくしYは、本日、休職の身であることを幸い、税務署に寄付控
除を受けに行ってきました。
具体的には、「特定公益増進法人」である財団法人に昨年寄付
したので、その寄付控除を受けにいって」きました。
近未来、NPOが寄付控除の対象となったとき、寄付した人たちは、
税務署でこのようにして課税控除の手続きを行い、このくらい金が
返ってくる、という先取り体験として読んでいただきたいと思います。
(基礎情報)
・昨年の私の「給与所得 控除後の金額」
¥3,436,000(皆さんの源泉徴収票にも書いてあります)
・昨年、私が同財団に寄付した額 ¥108,000
明るく晴れ渡った木曜日の昼下がり、車の屋根を開けて、私は
元気よくK市北税務署に出かけました。
1階に「確定申告書き込み用紙」配布コーナーがあります。
窓口担当は55歳ほどのおじさんでした。おじさんは寄って行っ
た私に以下のように言いました。
「何の申請に来たの?」
私は、血液が一瞬にして脳味噌を充満させる体質の人間であ
るので、この対応に接し、目に力をこめて相手を凝視致しました。
数秒瞬きせずにいたところ、おじさんは急速に態度を軟化させ
「どのような申請にいらっしゃいましたか」というので、こちらも即
座に態度を変え、寄付控除の確定申告に来た旨を言い、書類を
もらいました。
3階に書式書き込み部屋があり、そこで書き込んで、記入済み
書類を4階の提出コーナーに出しました。(この間、作業20分。)
(観察していると、若い男性が係員からまことにひどい対応を
受け、憤慨していました。税務署にしてみれば、「俺たちの金
をねだりに来やがっ!」と思っているのでしょう。もし私が税務庁
の人間であっても、そのように思うでしょう(^_^)。)
さて、(基礎情報)の内容の収入と寄付額の私はいくらの還付
を受けることができたか?...¥7,760でした。
申請に用いた書類のひとつは源泉徴収票です。昨年私は11、
12月、休職したので、その分例年より収入は少なかった。
2つめは、寄付額についての同財団発行の領収書。
3つめは、内閣総理大臣捺印の、同財団が特定公益増進法人
であることを認める証明書の写し」
4つめは本日の確定申告書の写し。
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☆本題
以上を要するに、「年間10万円をNPOに寄付して、8千円弱の
還付。税務署での屈辱&激怒付き。」
さて、課税控除は寄付のモチベーションとなりうるか?
私は暇なので、こうして税務署にのこのこ行きますが、これが、
多忙なビジネスマン年収1500万円、土日もゴルフ接待で私的
時間無し、という人であった場合、¥7,000の還付を受けに行
くか?私は、こんなものは全然モチベにならないこと肉体で実感
致しました。
一方、手持ち資産が10億円。すでにリタイア済みで年次収入は
数百万程度の70歳、子供無し。という方々が日本各地におられ
ますが、こうした方にとって、今回の相続遺産・遺贈の寄付控除
の仕組み(各位、理解していますよね)は上の「児戯的確定申
告」とは別次元の具体的なメリットであろうということを、演繹的
に思いました。
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以上です。
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