[BlueSky: 3811] 川口環境大臣 01-11-13 閣議後記者会見要旨


[From] "Takashi Goto" [Date] Thu, 15 Nov 2001 00:23:51 +0900

後藤@環境NPO研究会です。

 中央省庁では、大臣の閣議(毎週火・金)後の記者会見結果を、
ホームページに比較的早くアップしています。最近COP7関連で
NGO/NPOサイドの情報を流したので、環境大臣の談話も紹介
します。

→ http://www.env.go.jp/info/kaiken/

□記者会見大臣発言要旨(平成13年11月13日)

(大臣)本日の閣議では環境省関係はほとんどありませんでした。国会提出
案件で川田悦子衆議院議員提出の狂牛病全頭検査にあたり情報公開のあ
り方と今後の信頼回復のための措置等に関する質問に対する答弁書がござ
いました。これは厚生労働省と農林水産省の担当ですが、表には出ません
が環境省からも一部メモを出しました。他に法律4件、政令4件等ございまし
たが、いずれも環境省には関係ございません。
 私からは、今回の気候変動枠組条約第7回締約国会議(COP7)出席に
ついてご報告いたしました。

(質問)京都議定書の批准についてですが、昨日の官邸での記者会見でお
っしゃっていたように、日本は批准ではなく、締結し、その上で受諾するとい
うことでよろしいのでしょうか。

(大臣)締結の様式はいろいろありますが、通常、日本は受諾を選択してい
ます。ただし、日本が受諾の様式をとるかどうかはまだ決まっていません。

(質問)実質的には批准と同じということですか。

(大臣)締結の1つの形が批准であり、1つの形が受諾であるということです。
効果は同じです。

(質問)締結の時期ですが、どの辺のタイミングでとお考えでしょうか。

(大臣)昨日の地球温暖化対策推進本部で決定したとおり、次期通常国会
に向けて、京都議定書締結の承認及び京都議定書の締結に必要な国内制
度の整備・構築のための準備を本格化するということです。そこからご類推
下さい。

(質問)常識的に考えると、地球温暖化防止推進法の改正が国会を通過し
たあたりが1つのタイミングかと思われますが。

(大臣)法律を通した上で、後は締結に関する国会での承認が必要です。

(質問)準備をした結果やらないという可能性はありますか。

(大臣)国際的な常識というものがあります。それだけの準備をして、準備
が終了すれば、中味についての合意があるわけですから、次の段階へと
いうのが国際的な、また一般的な考え方だと思います。

(質問)他の国の状況はどうでしょうか。EUは6月半ばに批准すると言っ
ていますが、アンブレラグループの米国以外の国はほとんど批准すると
いうことでしょうか。

(大臣)それはわかりません。EUは欧州委員会として各国に批准の提案
をしているという状況です。それをEU環境大臣会合で合意することになり
ますが、まだその合意があったとは聞いていません。それからカナダは、
州政府との話し合いがあり、州政府からカナダ政府に対し、経済に悪い影
響がないかどうか調べて報告せよという話があったという状況です。ニュー
ジーランドは、COP7の場では運用ルールの一部について、このままでは
締結できないというような話がありました。それについては議長が別に整
理すると聞いています。これから各国いろいろあると思いますが、10日、
2週間と経つうちに解ってくると思います。はっきり批准をすると言ってい
るのはノルウェーとアイスランドだけです。ロシアはCOP7の合意をコンセ
ンサスを受け入れたわけですから、締結すると思っていますが、いつご
ろとかそういうことは聞いていません。

(質問)オーストラリアは、京都議定書に慎重な現状政権が選挙に勝った
ようですが、批准は難しいでしょうか。

(大臣)オーストラリアは代表が来ていましたが、批准については表だって
は何も言えないということで、何も言っていませんでした。

(質問)ノルウェーとアイスランドは批准をするとおっしゃいましたが、日本
の形とは違うということでしょうか。

(大臣)解りやすいので批准という言葉を使っていますが、各国がどういう
形で締結するかはわかりません。どの形式をとるかはあまり重要なことで
はありません。ニュージーランドは前は批准すると言っていたのですが、今
回、同意案の段階で、シンク部分で問題があると言っていました。3条3項
の報告の話ですが、バンキングに上限が付けられたこと、クレジットを他国
に売ることについて制約があるのはおかしいと言っています。

(質問)日本が締結作業をするにあたり、何か障害が生じてくる可能性が
あるとお考えでしょうか。

(大臣)産業界の方が、経済が空洞化するのではないかとか、国際競争
力に影響があるのではないかなど様々なご意見があります。確かに、今
日本の経済の状況が悪い状況にあることは承知していますが、その中
で更に一歩進んでいくための意味合いなどについて理解をしていただく
ということが非常に大事だと思っています。しかし、それが障害となって
準備の過程が遅れるとは思っていません。

(質問)経済団体連合会とCOP7についての意見交換は行われるの
でしょうか。

(大臣)今、申し込んでいます。日程を調整中です。

(質問)準備は遅れるとは思わないとおっしゃいましたが、中央環境審
議会で検討中の国内排出量取引や環境税などの議題について経団連
はことごとく反対しています。そういう中で準備を進めるのは大丈夫な
のでしょうか。

(大臣)昨日、国会での答弁でも、官邸での会見でも申し上げましたが、
環境税や排出量取引などは締結に必要な前提とは考えていません。
マーケットメカニズムを活用して温暖化防止をより効率的にできるとい
うことでは良い制度だと思っています。それから国際的排出量取引は
京都議定書に位置づけられていますし、国内についてもたとえばEUは
提案しています。米国でも自主的にやろうという動きはある訳です。現在
の日本の経済の状況から、経済界に反対があることは承知しています
が、それがなければスタートできないという前提としては考えていません。
それらがあれば、より効率的に目標を達成できる可能性がありますので
、より慎重に検討していきたいと思っています。

(質問)先程、経団連に申し込んでいるとおっしゃっていましたが、それ
は何について話すということですか。

(大臣)今までCOP6やCOP6再開会合などに行った際、必ず経団連
とお話をしていますので、今回もCOP7の報告をしましょうということで
す。日程調整中ということです。                   (了)

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後 藤   隆 [ Takashi Goto ]
E-mail: takapi-@sf6.so-net.ne.jp
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