[BlueSky: 3792] Re:3785,3791 炭疽菌テロ


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Sat, 10 Nov 2001 11:20:12 +0900

葛貫です。

松尾さん:
> 少なくとも、愉快犯ではないと思うので、炭疽菌をまくことによる
> 影響に付いては、十分に分かっているでしょうね。
> #もちろん、炭疽菌がどういうものか良く知った人達だと思います。

> 現時点では、耐性菌が出てこようが出て来まいが、投薬の必要が
> あると言うことでしょうね。

【3785】の送信ボタンをおした直後に思ったのですが、実行した者、
そのための資金を援助した者は、それなりの教育を受けた、どちらか
というと「豊かな」階層に属しているのだろうけれど、その背後は、
耐性菌がでようが、でまいが、薬自体入手できない状況にいる人達、
病気にかからなくても、何故、自分達がこのような目にあわなければ
ならないのかと世間を見渡したり、考えたりするいとまもなく、餓え
や寒さのために死んで行く人達が、90万人もいるのですね。
http://www.asahi.com/international/update/1101/028.html
#生物兵器をまくことを擁護する気は全くありません。
#そういう現実があるってこと。

松田さん、【3791】拝読しました。
人って、考えずにいることの方が、難しいのだと思います。
ただ、視野に入れている範囲、タイムスパンに個人差がある。
「守る」ということも同じようなものなのだと思います。

楽そうに見えるのと、実際、楽なのとは違う。
本人にしかわからない、本人さえどう表現していいかわからない、
「楽じゃないもの」を、それぞれ抱えているのだと思います。

今、起きている国際紛争を思うと、生存欲求、安全欲求がとりあえ
ず満たされているなら、それが満たされていない人達のことを配慮
してもいいんじゃないと思うけれど、もうそれが満たされるのが
当たり前なところで育ってきた人にとっては、所属欲求、評価・
承認欲求、自己実現欲求等を満たすことが切実な問題になるわけで。
「共有地の悲劇」のスレッドを思い出しました。

澤口さんや、和尚さんが仰しゃるように、
残念ながら、人間は全システムを一挙に把握することはできず、
人は何時の世も愚かなもので、何度も、何度も似たような失敗を
繰り返してしまうものなのだと思います。

拝読できて、幸いに感じているものの一つに、akiraさんの
【2700】インドと日本、という投稿があります。
http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/mllogs/bluesky/2700.html

その中に、
> 「インドは経済成長著しいと言っても、大部分はその恩恵に浴していない。
> 民主主義と言ったって、それを謳歌しているのはほんの一握りにすぎない
> じゃないか」 そんなぼくの批判に対して、ある知識人は言いました。
> 「今は我々が花を咲かせる役割を担っているに過ぎない。いずれ我々の文明が
> 滅びた時、次の時代を担う者は、今農村で大地にへばりつくようにして生きている
> 一見惨めな、彼らの中から生まれるだろう。10億すべての人が現在の文明を
> 謳歌し、その威力に依存してしまったら、この文明が滅びる時、10億すべてが
> 滅びてしまうだろう。だからインドの未来のためにも、貧乏な農民が必要なのだ。
> 花は次から次へと咲いては散る。けれどしっかりした根や幹があれば、樹が
> 滅びる事は無い」と。
> それは一見傲慢とも言える、差別や格差の自己正当化のようにも思えました。
という一節があります。

自己正当化の詭弁のように見えるし、所謂、理想とはかけ離れている
けれど、こういう現実があり、多分、これからも、あり続ける。
先天的・後天的要素からできている今、ここにいる自分を引き受ける
しかないし、それでいいのだと思われました。
ただ、「いのちの樹」の根幹をつくり出す物質界を、たった数十年で
メチャクチャな状況にしてしまった。
これだけは、少しでもマシな状態にして次世代に手渡さねばと思います。
私は、ここにこだわりを感じるとうだけで、こだわる場所は人により
いろいろで、緩やかな連携を作りながら取り組んで行ければ、いいのだ
と思われます。
#ピントはずれのコメントだったらごめんなさい。

東南アジアへ調査渡航、実り多いものになりますように。
お話、うかがうの、楽しみにしています。御身体、大切に。




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