[BlueSky: 3793] Re:3790 狂牛病と科学


[From] "Kaz. Yokoyama" [Date] Sun, 11 Nov 2001 05:18:34 +0900

横山@アルゼンチンです。

> そんな事言わずに、おつきあい下さいませんか? 

興味を持っていただいて嬉しいですが、満足のいくお答えが出来るかどうか。

> 例えば、北米大陸大凶作との見通しが、どのようにバングラデシュの飢えている人に
> 影響を与えるのでしょうか? 

はじめにお断りしておきますが、今現在の話ではなく(いや、今現在でも大問題がおき
るでしょうが)、話の前提が人口80億人の25年後の世界です。それと、私の視点は
常に最悪のシナリオを仮定しています。また、時間スケールは、30年後の世界は目前
の世界と同じであると言うものです。つまり、25年後の世界に対して今云々している
のは遅すぎと言う感覚です。

(やっと狂牛病の話にもどった^-^)ヨーロッパでの狂牛病がここで話題になっていたと
きに、確かヨーロッパだけに封じ込めることなど不可能、きっと他地域に波及すると申
し上げましたよね。第一報を受けた時に日本の政策担当者がそう言う時間スケールで最
悪シナリオにそって対処していれば、今のような騒動は無かったはずですよ。

そう言えば、同時テロの時も不吉なことを申し上げましたっけ。なんかその筋にそって
事態が進行しているようじゃないですか?

その上で申し上げているのですが、食料の不足感が非線形的の増加しているはずです。
その他、水資源、政情、気候変動、何をとって楽観できる材料は何も無い・・・・潜在
的に供給超過状態の現在のような市場がある保証はありませんが(10年前後で総量レ
ベルでも需要過剰に転じると予測)、有ったとしてもたぶん瞬間的の固まるんじゃない
かと危惧しています。

> どのようなご自身の観察に基づいて横山さんが、「佐藤さんの思考を遙かに越える深
> 刻さで進行している」と考えられているのか、全く不明なのですが、是非、その現象
> をお教え下さい。

これは失言です、他人の思考を云々することは不毛でした。撤回します。

> とを言っているのだと解釈しましたが、間違いですか? 確かに食料価格が高騰すれ
> ば、短期的には都市の貧困層にかなりのダメージを与えることは間違いないでしょ
> う。

現実には、真っ先に農村部から飢えるのは事実が示していますよ。

> でも、10年20年のスケールで見れば、(他の消費財に比した)食料価格の高
> 騰は、土地への回帰を促すのでは・・・・と希望的観測かな。

全く希望的観測ですね。人口増加の著しい地域では、むしろ優良農耕地を住居や、交通
網など他目的に利用しています。その為面積当たりの生産性はむしろ減少傾向にありま
す。回帰する耕地がないと考えています。それと、土地を農耕地に戻すのって大変な労
力とお金が掛かります。

> どういう現場に立たれているのか知りませんので、何が悩ましいのか不明ですが、餓
> 死者が出る場所では緊急援助しかあり得ません。農業技術者の出る幕ではないでしょ
> う。WFPやUNHCR、その他の2国間協力による緊急輸入に任せる以外ありません
> (2−3年レベルの話?)。

だから悩ましいのです。無力をよく思い知らされるものですから。

> 日本の自給率を高めるべきだという総論には全く同意します。ただ、どうやってとい
> う部分ではここ半世紀の歴史が示すように、非常に難しい問題ですね。

そうですね。綺麗事に聞こえるでしょうが、消費者の意識も大変重要だと思うからこう
いう一種場違いな発言を敢えて繰り返しています。

> の農業生産高は確かに90%減と言っても良い状況だったと思いますが、その後、農
> 薬の輸入を大幅に増やすことなく、かなり回復しています。「農薬がなくて食料生産
> は全く成り立ちません」というのも、ちょっと誇張のしすぎと思うのですが、いかが
> でしょうか。

10%でも穫れれば御の字と思っています。これは自分の経験に基づく感覚です。小規
模であれば人手をかければ30%くらいできるでしょうか。しかし食料供給というレベ
ルの大規模となると、収穫皆無となる可能性も0ではないと思う。たしかに、ディクラ
イニング現象と言って、しばらくすると病気が衰退して次第に栽培が出来るようになり
ますが、その間の食料供給はどうするんですか?

2025年段階に石油化学がどうにかなって化学農薬が供給されないなんてシナリオは
さすがに考えてませんが、そうなったとしたら江戸時代の農民のような生活になるんじ
ゃないですか。

> 技術から見れば科学は不可分です。でも、科学から見れば技術は一部にしかすぎな
> い。技術は科学の部分集合じゃないかと思います。

話がかみ合ってないですね。私が言いたかったことは、科学だけやって技術には関係な
いと言うことは最早無理だと言う意味です。


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