[BlueSky: 3766] Re:3758 狂牛病と科学


[From] "Kaz. Yokoyama" [Date] Thu, 8 Nov 2001 12:09:25 +0900

田中さん、MLのみなさん

素晴らしい議論の種を感謝しています。

> 一主婦・一消費者として、これからも勉強させて頂きたいと
> 思いますので、よろしくお願いします。

一主婦・一消費者と言うのが多分一番説得力があるのではないかな。そんな気がする。
なんたって絶対多数者ですからね。

> 確かに、独自の判断能力を持たない人は多いのかもしれませんが、
> そういう生き方も個人の自由というか、その人たちは好きでそういう生き方を
> しているのだと、私は解釈します。

そうですか。同じ言葉を貴方がエライと表現された人たちからも聞いたことが有ります
よ。
この話を聞いたら「ほら観たことか」と言われそう。

> 私は農業に携わる人の近くに居ります関係から、まずは農作物を
> 変えていきたいと考え、安全な農作物を作り、消費者に直接
> 届ける仕事をしています(正確にはまだ準備中です)。

なんと、殆ど同じ業界ですね。
詳しくはhttp://www.dgc.co.jp/ffg/

> 「安全な農作物」とは?とご指摘を受けそうでうが、私の考える「安全」は、
> 「嘘のないのも」です。

その為に、ITを利用して、契約オーナー氏に全農作業をリアルタイムで公開する「マイ
農産物」を提供(私たちはそのシステム開発やサポートですが)しています。

> 将来どのような影響が出るか、出ないか解らない
> 化学物質をなるべく頼らず、植物のもつ生命力を生かした農業を、
> 生産者さんと協力してやってみたいと思っています。

そうですか。巧く行くと良いですね。

ところで今日国連人口基金から2001年世界人口白書が発表されましたが、その中で
は2025年には世界人口は80億人に達する見通しで、十分な食糧を供給するために世界の
食糧生産を倍増させる必要があると警告しています。その上で、上位20%の富裕な人
が世界の個人消費の86%を占め、下位20%は僅か1.3%、その階層では毎年1200
万人以上が最低限の食料不足や不衛生のために死亡するそうですね。これは10年前の
予測通り、否それを上回るペースで事態が進行していることが報告されました。申し訳
ないですが、私の頭の中には「無農薬」の文字はもはやありません。不可能だからです
。一部のお金持ちを除いてね。

http://www.unfpa.org/news/pressroom/2001/swop2001.htm

> 人間が科学の力で自然をコントロールしようとしたことが、実は間違っていて、
> その酬いを受けなければいけないのかな・・という気がするものですから。
> もしそうなら、どうすれば償えるのかな?

この「科学」を従来型の科学技術と解釈するなら、無理です。
自然は、無数の要素が非線形(要するに条件の変化が一様な結果の変化に結びつかない
)な相互作用をしながら時間発展する(要するに時と共にコントロールルールがどんど
ん変化する)複雑系ですから、単純系でのみ成り立つ従来の科学技術の守備範囲外だか
らです。従って「償い」も実は無理なのです。下手に償おうと介入すると大怪我なんと
ことになるでしょう。出来るとしたら、結局自然自身が時間をかけて癒えるまで、過去
の反省の上から自然へのインパクトを最小にしつつ人間を守る、それが科学技術の活躍
の場のような気がします。残念ながら。

> ということは逆に、実しやかに良い情報を流して、
> ポジティブなパニック状態を起こすことも可能かもしれませんね。

これも上記のナイーブな科学的では不可能ですが、人間という複雑系は過去にしばしば
成功させたと言う記録は残っていますね。

> それにしても、「本当の話」ってそんなに危ない話なんですか?

はっきり言って危ないです。そんなこと誰も出来れば知りたくないでしょうから、最初
から全部ぶちまけて、「私たちみんなの問題ですよ。みんなで決めましょう」と言うの
も一つの途だったと思いますが、日本はそう言う途を選択したことがない。しかも、世
界にも多分何処にもそんな国はないです。私は寧ろ、そう言う誰もがしたくないことを
、でも誰かがしなてはいけない「仕事」に対して公務員という「職」があるのだと理解
しています。その職務に従事する人に対して「身分保障や職権」が与えられていたのだ
と思っていました。最近は「試験に合格したのだから特別の自分のために特別の仕事が
ある」と逆転している人の話を良く耳にしますけどね・・・

> これ、面白いアイディアですね。

そうでしょう。だから私はそうすることにしたのです。

田中さんのご活躍をお祈りしています。
では

横山和尚


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