こんにちは、aquaさん。小宮です。兵庫県で半導体エンジニアを
やっています。[3751]でも言いましたが、興味深いテーマなので、
もう少し追加で自分の考えを述べます。
> 狂牛病と科学の限界、というか、技術と科学のあり方について。
科学と技術のあり方というのは、僕も非常に気になっていたテーマ
でした。今問題になっている様々な環境問題は、科学の進歩、
というか、人間活動の拡大がもたらしたものであることは間違いないと
思ってます。ただ、それを解決するのにも技術の力が必要ですし、
一概に科学の発展を否定するのではだめだということに最近気が
つきました。
僕の働いている分野でも、どんな文献を読んでも技術の拡大がテーマ
になっているものがほとんどです。昔は、なんてばかげたことをやって
いるんだろうと思っていたのですが、最近僕が思っていることは、結局
個人が自分の生活を守ろうと思って一生懸命働く、活動することが、
全体として悪い結果になってしまう場合があるということです。原子力の
専門化ならば原子力発電をすばらしいものにしようと思って毎日研究に
励むでしょうし、遺伝子関係の研究者であれば、遺伝子組替え技術で
もっと有益なことができないかを毎日考えるでしょう(もちろん原子力や
遺伝子組替え技術が悪いといっているわけではありません)。それに
自分の生活や、家族の生活がかかっていればなおさらそうでしょうし、
自分のやっていることに疑問を持って仕事を放り出す人は、この社会
では淘汰されていく。結局、個人が自由に活動できる社会では、個別の
技術革新が推し進められていくということになります。半導体技術が
生まれなかったらもしかすると多くの近代兵器もうまれず、パソコンや
携帯電話もなくなってそれに伴う環境問題や犯罪も産まれず、ひょっと
したら今より平和で幸せな世界になっていたかもしれません。でも、
僕は半導体技術のおかげで毎日暮らしていけるので、僕にとっては
非常に重要な技術です。だから、もうこれ以上高性能のパソコンが
この世の中に必要なのか?と疑問を持っていても、毎日自分の扱って
いる製品の性能を1オーダー上げるために働くのです。
今日のニュースにこんなものがありました。
<破産申立>「不況型」増加で過去最高 10年で11倍
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20011106-00000134-mai-soci
これを見ると、豊かな先進国でも、生きていくのは大変なことなんだと
思いました。ワークシェアリングが検討されているという記事も載って
いましたが、それが導入されて賃金が減ると、また自己破産する人が
増えるんだろうと思います。例えば子供を持って、ローンを抱えている
人なんかは相当苦しいでしょう。まあ、先を見越してそんなにめいっぱい
の生活を始めからしなければいいのでしょうけど、人間なかなか
そこまで賢くはなれないんだろうと思います。
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