[BlueSky: 3747] Re:3746 科学と報道


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Sat, 3 Nov 2001 22:25:17 +0900

葛貫です。

邑瀬さん:
> 科学者は言っているのですが、データやその考察が一人歩きするのが怖いです。
> つい先週、まさにそのような経験をしました。
>
> 琵琶湖の水質に関する記事だったのですが、私が少し手伝っていた研究のデー
> タを元にしたと思われる記述があり、しかもその記事の結論が本来の報告書の
> 考察と違うのです。報告書の提出先の機関が新聞記者に説明するとき、その記
> 者が記事を書くときにそれぞれ脚色されてしまったようです。しかも、その結
> 論の後にさらにほかの取材等をもとに論理展開され、最後には「早急な対策を
> 取るべき」という話にまで発展していました。
>
> 結構特殊な研究、つまりほかに比較対照がない研究だったので、データが少し
> でも出るや、すぐさま拡大解釈されたのでした。追試や経時変化を確かめない
> と何も言えないのに、たった1度の実験ですぐに結論まで飛んでしまいました。
> これがもし人の命に関わるような急を要することであったら、データの扱いは
> もっと難しいですね。


邑瀬さんが、関わられたものとは違うかもしれませんが、
偶然、先週、琵琶湖の隔離水塊実験に関する一連の報告書
の抄録を作成していました。面白かったです(^^)。

本文の結論や考察の思われる、考えられる、推察した、
可能性がある等々の「語尾」を守り、今後の課題をきちんと
読んでから、報道してほしいですよね。
著者は、慎重に選んで書いているのだから。

報道する方には、最初からストーリーや結論があって、
それにあわせたデータを拾い出しているんじゃないかな、
と思われる時もあります。

報道する側が持っている都合のようなもの、見抜けるように
なりたいものです。






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