[BlueSky: 3697] Re:3696 シカに伝染病..哺乳類学会が緊急アピール


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Tue, 9 Oct 2001 20:25:00 +0900

葛貫です。

田邊さんwrote:
> もし、野生動物がCWDになる(表現が怪しい)発症から
> どれぐらいの早さで広がっていくのでしょうか?
> CWDの大型ほ乳類がフラフラと道路に出てきたら...
> また、絶滅危惧種の猛禽類などへの影響も懸念されます。
> もちろん、野生で骨肉粉はあり得ないでしょうが、
> 熊や猛禽類は脳など感染率の高い部位もも食べているでしょうから。
> 他にどのような影響が考えられるのでしょうか?

インターネットで検索して無料で見られる資料では【3683】で
ご紹介したように、

動物が近縁なほどプリオンはよく似ているだろうから、2種類
の動物が近縁であればあるほど、他方のプリオンタンパク質を
病原性に変える確率が大きくなると思えるが、プリオンの構造
の一部が決めてになることもあり得るので、種のちがいがつね
にプリオン伝達を防止するとは限らない。

生きた動物を使った実験では結果が得られるまでに数年かかり、
プリオン病が種間でどの程度の伝染力を持つのかについては、
比較的少しのことしか解っていない。

ということになるようです。

様々な要因が絡み合い、様々な経路をとり得る自然界での異常
プリオン分子の拡散をシミュレートすることは難しいでしょうね。
 #自然状態で異常プリオンは、どの程度分解されるのかな?

いろいろな生物のプリオン分子のアミノ酸配列を調べることは、
病原性を示す部位を特定したり、種間の伝染力を推測するため
の基本的な資料になると思われます。
これは、特に新規の技術が必要となるわけではなく、人とお金
を注ぎ込めば(やる気さえあれば)できることで、各国の研究
機関や製薬会社等で研究されているのでは、と思うのですが、
残念ながら、私の手元には資料がありません。

山内一也東京大学名誉教授の「連続講座 人獣共通感染症」
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsvs/prion.html に、
「プリオン病とはどんな病気か?」がアップされていました。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsvs/prion/pf122.html 
ご参考まで。

佐藤さんwrote:
> これからも、新しい伝染病がいろいろ発見される
> んじゃないでしょうか(ま、HIVやvCJDのような衝撃的なのは
> 10年、20年に1度ですが・・・)。

遺伝子操作、異種間臓器移植等、今迄、天然には存在しなかった
遺伝子や蛋白質等の感染経路を、新たに人がつくり出すことにより、
どうなるんだか、ちょっと心配です。

では。




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