[BlueSky: 3549] Re:3547 発効しなくても削減は出来る


[From] "Hisao Fujii(藤井 久雄)" [Date] Mon, 23 Jul 2001 10:39:07 +0900

皆様
森林NGO緑友会 事務局 藤井久雄

On Mon, 23 Jul 2001 00:48:57 +0900
JAWAY <h-ito@mars.dti.ne.jp> wrote:

> 伊東です。
>
> At 23:33 +0900 01.7.22, ICHINOSE-Takeshi wrote:
> > みなさんのコメントを読んで、
> >「京都議定書を発効させないと、EU等は温暖化ガス排出削減を始められない」
> >と考えておられることが判りました。
>
> なんでそんなに悪い方に考えるんでしょうね。
> 自主的な削減はすでに始まってますよ。
>
> > 何故、そう考えるのか、私には全く理解できません。
> > 排出削減を積極的に主張する人達は、規制など無くても排出は削減します。
> > 仮にEUが、”議定書が発効されないから我々も削減できない”などと言い出
> >したら、その方がおかしい。
>
> 排出コストを内部化した経済と、内部化しない経済が競争すると、
> 内部化しない経済が必ず勝ってしまうので、同じ土俵に引き込まないと、
> 勝負にならないと言うのが一番の問題なのです。
>
> つまり削減国の善意をアメリカが食い物にするのは困る、と言う事です。
>
> > 通常、規制というものは、汚染物質の排出を削減したくない者に対して、強制
> >するから存在意義があるのです。
> > 今の場合、嫌がっているアメリカに、規制の網がかかるから意味がある。

 現実には、「削減しなければならない」ということがはっきり決まらないと真
剣には努力しない、というのが経済優先の政府の姿勢ではないでしょうか。例え
ば、昨年11月のハーグでのCOP6会合の前には全国的に環境制導入の議論が
広がりましたが、COP6が決裂するとともに、環境税導入の声はしぼんでしま
いました。それだからこそ、国際条約として(国際的な約束として)、削減をし
なければならないことを決めるのが重要なのだと思います。排出削減をいやがっ
ているのはアメリカだけでなく、日本もだと思いますが。原子力発電増設や森林
吸収の抜け穴拡大やで、出来るだけ削減努力をせずに目標達成を画策し、キャス
ティングボートを悪用して世界にもそれを呑ませようとしている世界的にも卑劣
な国ですから。「アメリカも含めた合意の努力を」といった表向きのまやかし語
に騙されてはいけないと思います。本当に削減を望んでいるなら、まず批准を表
明してからアメリカも組み入れる努力をするはずです。

 経済への影響については、アメリカとの競争力問題の懸念等有ると思いますが、
環境に配慮した製品をいち早く商品化し、また国内の環境汚染を減らし得た国が、
最も安定な経済成長を成し遂げられると思います。森林NGO緑友会の英文要望
http://www2s.biglobe.ne.jp/~ryokuyu/tok0132.htm#yobo_e
では、環境に配慮した製品の貿易上の優遇・規制措置の国際上の尊重も求めて
います。もはや環境汚染の経済成長への影響は、温暖化だけでなく放射性物質、
重金属汚染、酸性雨等も含め相当に大きくなっていると思います(これらの多く
はデータすら明らかにされていませんから、統計的に明らかにはなかなかならな
いかもしれませんが、これらは消費の冷え込みにも大きな影響を与えていると思
います)。にもかかわらず、目先の景気対策を優先して環境を汚染し続ける日本
やアメリカの姿勢は、麻薬中毒患者にも似ていると思います。


>
> 発効すれば協調圧力を掛けられるようになります。
>
> でも、このままでは協調圧力を掛けるより先に、
> アメリカで環境テロが起きると思う。
>  #それはとっても避けたいんですけどねぇ。
>
>
> At 23:33 +0900 01.7.22, ICHINOSE-Takeshi wrote:
> > NGOの方々には、EU(=ドイツ)の温暖化ガス排出の削減目標が、如何に
> >見せかけだけのものであるか、そして、日本に課されている6%削減が、如何に
> >過酷なものであるかということを、もう少し理解していただきたいと思います。
>
> 知ってますよ。
>
> > 日本に要求されている6%の削減が、如何に厳しいものであるか、
> >この比較からも明らかです。
>
> 高い目標こそ男子の本懐。(笑)
>
> ESCO事業が普及すれば十分可能な数字だと思いますが、
> そのためにはエネルギー価格が、もうちょっと上がる必要が有りますね。
>
> > まともに達成することなど、純技術的には不可能なのです。
>
> 「不可能とはちょっと時間が掛かる事」
>  株式会社「ゆびとま」の社是。
>
> 大抵の場合「不可能」は「やりたくない」でしかありません。
> 出来る事はまだまだ一杯有ります。

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藤 井 久 雄(fujiihi@nisiq.net)
森林NGO緑友会(森林・林業・自然と研究のためのNGO)事務局
http://www2s.biglobe.ne.jp/~ryokuyu/ E-mail ryokuyu@nisiq.net
TEL 090-1800-4721
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