[BlueSky: 3505] 至急:複雑系オープンセミナーのお知らせ


[From] "Kaz. Yokoyama" [Date] Sun, 1 Jul 2001 15:53:09 +0900

横山@芽室です。

急な話で申し訳有りませんが、下記メンバーで研究発表および議論の場を開催します。
オープンですので、興味の有る方は出入り自由です。ご近所にお知らせ下さい。

日時: 平成13年7月2日(月)午後1時〜
場所: 北海道農業研究センター 畑作研究部 本館3階 大会議室

公式HP:http://www.dgc.co.jp/DGCI/

議論参加者

茂木健一郎 ソニーCSL

脳の複雑さの理解におけるスケールの問題
  脳を理解する際、ある特定のスケールに着目する自然な理由があるのだろうか? 
神経細胞は、すぐに思いつく単位である。しかし、脳の発達における形態形成や、認知
記憶の成立のメカニズム、さらに、神経細胞の活動に感覚的クオリア、志向的クオリア
がどのように対応するかという問題を考える際には、むしろ「スケール不変」な性質に
着目する必要があるのかもしれない。いかにして、シナプスレベルの分子機構から、脳
全体のシステム論までを統一的に結ぶか? この問題について議論したい。


谷 淳  理化学研究所 脳科学総合研究センター
  認知および意識の問題について行為の学習生成という文脈から構成論的に探ってい
きたい。
より具体的には、実際にロボットを用いそれと環境及び人間との相互作用を物理的に構
成し、そこに創発するものを探求する。
このように人工的に生成された「心」の構造性と現象論で議論されるわれわれ人間のそ
れとの関連性を議論していく。


池上 高志 東京大学総合文化
  チューリングマシンに代わる新しい認知システムのモデルについて考える。認知的
な振舞いとか、その振舞いの観測をどう記述すべきなのかを、議論したい。


田森佳秀  金沢工業大学 人間情報システム研究所
  自然現象を支配している因果関係は、ミクロな記述の中で時間をパラメータ(状態量
ではない)として扱うことから生じている。神経系では、位置や運動量等の状態量の「
結びつけ(座標系)」や、これらの「量の存在自体」を仮定せずに、未知の先験的法則か
ら導かねばならない。この未知の法則のもとでは時間も聖域とする(パラメータとする)
根拠は無い。会議では、(1)外界を記述する変量(この変量には時間も含まれうる)が、
いかにして生れ、座標系を作るのか、また、(2)その背後に存在する未知の法則が、脳
という(分子レベルで見れば)因果的な装置によって、どうやって実現されているのか、
更に(3)実現された座標系(が満たす代数likeな法則)が、この未知の法則自身を記述で
きる万能チューリングマシンのような存在になれるのかどうか、を議論したい。


柳田達雄 北大電子研 

 「力学モデルで物理現象や生命現象など現実世界をどこまで表現できるのか?もし、
表現できたときデータフィッテンイグとの差異は何か?」


藤本 仰一 東大駒場 

1:様々な時間スケールのダイナミックスが混在している系の研究紹介。特に、速いダ
イナミックスの性質が、遅いダイナミックスへどのように伝達されるかを論じる。
2:混裁が病中害を抑制するという現象について、実験と理論を紹介する。


安富 歩 東京大学総合文化

  20世紀前半における中国本土と満洲における農村市場パターンの差異を調査し,当
時の満洲の辿った歴史的経緯の関係を考察する.この考察を通じ,社会機構の形態とそ
の運動の関係を繋ぐ論理を探究する.


時田恵一郎 大阪大学サイバーメディアセンター

生物学の聖域を理論屋が探検する

  岡田節人氏が言っているような「おもろい(統合的な)生物学」において理論研究が
果たせる役割について考えている。分子生物学や最近の生物情報学の発展によって、生
物学は客観性や精密性を手に入れた代わりに、古典的な博物学的生物学研究のおもしろ
さが蔑ろにされ、本当に生物を好きな人が研究を行なう場が失われつつある。物理学者
が「対象」としての固体や液体を愛するのではなく、物理で使われる「手法」を愛する
のと同類の悪癖が生物学を覆いつつある。特に、すでにフィールドで発見されている事
柄を「説明」することのみに腐心してきた数理生物学者の罪は重い。普遍法則の追求を
旨とする物理・数理科学に対する生物学の存在意義は、まさに普遍性を引いた「個別性
」を重んじる伝統にある。この個別性と普遍性のせめぎ合いを両方取り込めるような理
論のみが、手法でなく対象を愛する野外/実験生物学者を勇気づけ、対話を可能にする
のではないか。物理学帝国主義をはねつけてきた生物学の聖域を理論屋が探検する方法
について議論したい。


横山和成 北海道農業研究センター

複雑なシステムの変化を構造で捉える

  生物群集が構造変化を起こす時に発せられる複雑な情報をある種の信号処理により
再現性良く検出、あるいは数量化することが出来るか否か、どの様な検出法、数量化法
が考えられるかを議論したい。

横山 和尚/DGC総研


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