[BlueSky: 3502] 自然保護研究所の立地 Re:3484 炭素税


[From] Minato Nakazawa [Date] Fri, 29 Jun 2001 12:05:18 +0900

中澤@東京大学人類生態です。
タイミングを逸している上にスレッドの流れからは外れたコメント
なんですが……。

(件名:[BlueSky: 3484] Re:3483 炭素税に於て)
Mon, 25 Jun 2001 14:31:43 +0900頃,sukaさん:
> 自分の場合だとどうなるかを考えてみます。僕は10年以上前に
> つくられた中古の乗用車を1台もっています。勤務先が公共交通
> 機関の通らない山の中腹にあるので、通勤につかっています。
> 立地がよくないと思いますが、今のところほかに実際的な方法が
> ありません。炭素税がかかっても、ほかの方法にのりかえること
> はむずかしそうなので、今自動車に乗ることで排出している温暖化
> ガスの量に対応する課税分をほぼそのまま払うことになりそうです。
>
> すごくおおまかに見積もって、僕が毎月購入するガソリンは100
> リットルくらいではないかと思います。これは標高差600m、片道
> 30分の通勤路を平日ほぼ毎日往復するのにつかう量です。通勤
> 以外にはあまりつかいませんが、休日にもときどきつかいます。
先日,その自然保護研究所で開かれたエコフィエスタというイベン
トに行ってきました。当日はいろいろ興味深い話が聞けてよかった
です。

ぼくはママチャリで行ったのですが,往路2時間強,復路40分でし
た。復路の風の気持ちよさは最高だったのですが,往路はかなり辛
くて,これを日常的にやるのは難しかろうと思いました。
もっとも,変速もない普通のママチャリだからあれだけ辛かったの
で,大池の傍の砂利道対策も考えるとMTB風の変速機のついた自転
車ならば,1時間半くらいで着けるでしょう。効率を考えなければ,
なかなか楽しいサイクリングロードともいえます。
#まあ,それでも毎日となったら辛そうですが。とくに雨や雪の日。

それで,立地が悪いということですが,ぼくも自然保護研究所を車
でないと通勤できないような山の上に作っているのは矛盾している
と思っていました。どうせ調査は別のフィールドへ行くことが多そ
うだし,何も周りを自然に囲まれた場所に研究所がなくてもいいじ
ゃないか,と。

エコフィエスタでわかったことは,自然保護研究所は,市民に対し
て環境教育をする拠点になっているので,教育目的に役に立つフィ
ールドが傍にあることには意味があるということでした。もっとも,
当日,田中知事の発言にあったように,県内のすべての小中学校に
学校林を作って都市部緑化に力を入れるという方向性,つまり市街
地の中に広大な緑地を作ってしまえば,わざわざ高原に出かけなく
ても環境教育はできるかもしれません(予算的にすぐには無理でし
ょうし,土建的発想になりがちなので,それはそれで問題がなくは
ないのですが)。

今日は,もう一つ,自然保護研究所が高原に立地している利点に思
い至りました。平地はうだるような暑さでも,あの立地なら涼しい
からクーラーを使う必要がありませんね。今日の東京でクーラーを
つけずに仕事をするのは,相当つらいものがありますが,きっと飯
綱高原なら涼しいでしょう。

だから,まあ高原にあるのはいいとして,もう少し公共交通機関を
充実してくれればいいんですよね。今日の朝刊によると,上高地と
乗鞍高原には低公害車しか乗り入れられなくするという発表もあっ
たことですし,県で低公害のマイクロバスを用意して,県内各地の
高原へは,最寄の鉄道の駅から1時間に1本くらいの感じで(需要
によって頻度は決めればいいわけです)マイクロバスを走らせて,
高原内での停車地には弾力性をもたせるとかすればいいように思い
ます。自然保護研究所を含めて,飯綱高原を巡回するような低公害
マイクロバスが長野駅から善光寺経由で毎時あるいは2時間おきく
らいに出ていれば,通勤にも使えるでしょうし,何よりも市民が研
究所を訪れるのがずっとやりやすくなります。
#あるいは,研究所のサービスとして,無料で長野駅と研究所を
#往復するマイクロバスとか?

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Minato Nakazawa, Ph.D. <minato@sv3.humeco.m.u-tokyo.ac.jp>
Department of Human Ecology, Univ. Tokyo
[WEB] http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/~minato/index-j.htm


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