[BlueSky: 3481] Re:3480 クローン・ペット


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Sat, 23 Jun 2001 16:30:05 +0900

葛貫です。

小宮さん:
> クローンペットをビジネスとして扱うのであれば、依頼人にきちんと
> 産まれてくるクローンは、死んだペットの生まれ変わりではない
> ことを説明する必要があると思います。依頼人が死んだペット
> が生きかえると思っていると知ってて依頼を受けるのであれば
> 詐欺ですよね。
> (スティーブン・キングのペットセメタリーを思い出した…)

そうですね。
依頼者が、取り戻したいのは、「同じかたちをした物」ではなく、
そのものと共有した(と思っている)時間や想い出なのだと思います。
相手は動物なので、どの程度記憶というものがあるのか、わかりませんが、
「同じかたちをしたいきもの」を見ることにより、それを取り戻せたと
錯覚できるのなら、それは、それで、幸せで、ちゃんと世話するなら、
その位の方便があってもいいかも、なんて思ってしまう部分もあります。

【3766】には、「クローンをつくりたいと思うほど、かつて愛情を注い
だもの」と書きましたが、正確には、「クローンをつくりたいと思うほど、
それを飼っていたことにより、得ていたものが多かったもの」なのだと
思いました。

そうそう、↑のようなことを考えていたら、「源氏物語」の中で、源氏が
藤壷の血縁の紫の上を引き取り、藤壷に似るように育て、自分の妻にした
話を思い出しました。クローンを作りたいという望みは、遺伝子なんて
言葉もなかった昔からあったんだなと、思いました。
そのことに対して、源氏は何の罪悪感も持っていない。
でも、源氏が自分を通して藤壷を見ていることに気付いてしまった紫の上
はidentityを喪失し、如何ともしがたい深い失意を味わうことになる。

ヒトのクローン研究には制限が設けられたようですね。

米、クローン胚を禁止へ 実験レベルも
http://www.asahi.com/international/update/0621/011.html

<クローン研究>文科省が指針案 有用性なければ禁止(毎日新聞)
http://news.yahoo.co.jp/headlines/mai/010622/dom/23300000_maidomm136.html

#コンピュータに人格をインストールするロバート・J.ソウヤーの
#「ターミナル・エクスペリメント」というSFと、シーマンというのが
#あったことを思い出し、とある人格に物的な身体を与えずコンピュータ
#上で再現するのは問題にはならないのかな、等と考えてしまいました。

> まあ、まだ当分難しそうなので、簡単には普及しないとは
> 思いますけど。それが救いでしょうか。

遺伝子「スイッチ」混乱、体細胞クローン動物
http://www.asahi.com/science/news/K2001061700079.html

何が問題かわかると、対処法って見つけてしまうものですよね。






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