[BlueSky: 3467] 意見1 (心的な社会)


[From] "gengorou" [Date] Wed, 20 Jun 2001 02:04:45 +0900



皆様、こんばんは、ゲンゴロウです。
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日本の社会の乱れを治すために、将来を担う
若者の教育に「奉仕活動」を採用するのだと
思うのですが、現在の社会の乱れ(混乱)の
原因について、私なりに考えてみました。
これは、その一つです。


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虫は虫なりに一つの考え(心的な社会))
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【人間社会は心的構造体】

私たち人間は、混沌とした無意識のさらに奧にある「普遍的無意
識(集合的無意識、集団的無意識)」から、表層意識を作り上げ、
さらにその二つを結びつける仕組み、すなわち「こころ」を利用
して「心的な意識存在」となっているようです。
また、私たちは、この意識現出過程で、個々の人間が意識存在に
なっただけでなく、私たちの互いの結びつきの構造までもを、心
的なものとした様です。さらにまた、逆に「心的な構造」を持っ
ているその仕組みからも、人間は影響を受け、さらに強固な心的
な存在(意識存在)になってきた様です。

「心的な構造を持つ仕組み」とは、たとえば「家族」です。また、
その家族を基盤にして作りあげた多くの組織です。
様々な組織が、この「心的な構造の要素」をもっていると私は思
います。
もちろん、人間によって作られているこの組織には、心的な要素
だけではなく、経済的、あるいは、政治的、または、軍事的な構
造の要素なども多くあると思いますが、その様な組織体も、実は、
この「心的な要素」を維持するために生まれたものであるので、
人間の組織にとって、最も大切なのは、「心的な要素」ではない
かと、私は思います。
強調して言うなら、人の組織体(家族や国家)を考える場合、あ
るいは、その仕組みの中での、私たちの営みや行為を考えるとき
に、決して忘れてはならないのは、「心的な要素」なのではないで
しょうか。
例えば、会社の就業規則、国家の法規、そして日常の人間の営み
(マナーとか振る舞い)を考えるときも忘れてはならないのは、
「人間は心的な存在であり、人間が作ったその組織体も心的であ
る」ということではないでしょうか。そのことを忘れないように
しないと、その構造体も崩れ、その構造体の中で生活する人の心
も再び混沌とした海の中に沈み始め、すべてはそこから崩れ去る
ように思います。

【援助交際について】

人の振る舞いが心的構造体と人間の心を壊す一つの例として、人
間の行為である「援助交際的な行為」について考えてみます。

ある家族にとって「心的な要素」は、その家族を家族として作り
上げている「家族間の思い」ではないでしょうか。両親は娘を愛
し、慈しみ、養育し、保護をすることで親として存在し、また娘
(こ)も親の擁護を受けることで、その家族は「心的な仕組み」
を持っており、その仕組みをもって家族は家族として心的に存在
していると思います。
しかし、ここで、その娘(こ)が、見ず知らずの人間に擁護を求
めるということは、経済的な仕組みが変化するだけでなく、心的
な構造までもを変化させので、その家族構造は、「心的な構造変
化」によって崩れ始めるように思います。
もともと、親が娘(こ)を養育しないという家族構造ならば、娘
(こ)の援助交際的行為は、さしてその家族の構造変化には影響
を与えないと思いますが、先に言ったように、娘(こ)の娘(こ)
たる存在によって家族構造がなりたっている場合には、その娘
(こ)の意識変化を原因にして、その家族構造体は、みごとに崩
れ始めると思います。

援助交際的な人間の結びつきは、その他、社会の中の多くの既存
の組織構造をも、崩壊させる力があるかもしれません。例えば学
校という組織体も、生徒が生徒的であるという「心的仕組み」が
前提で成立しているので、それも崩れるかもしれません。また、
社会全体の「心的な仕組み」も、未成年者は未成年らしくという
意識の上に成り立っているので、大人に体を売って金を儲けるな
どという、未成年者にあるまじきと思う意識と反することで、社
会全体の仕組みを壊し始めてしまうかもしれません。

このことは良し悪しではありません。もし仮に、社会構造が援助
交際的な行為を受け入れるような「心的構造」をもっているなら
ば、それは、社会構造にダメージを与えないので、社会的な問題
にはならないと思いますが、社会構造が、そうでない場合には、
この援助交際的な行為は、他の行為以上に、社会構造を根底から
覆(くつがえ)す行為になるような気が、私はします。

男が自分の家族ではない人間に多大の援助をする場合、家族が崩
壊するのは当然であり、親の愛情を受けている者が、家族以外の
者の援助を多大に受けている場合も、心的な家族関係を容易く崩
壊させてしまうのではないでしょうか。

【マナーについて】

心的な仕組みでその社会を作り上げている構造にあっては、心的
な行為が実に不可欠であることは言うまでもありません。「心的
な構造を作っている日常の行為」とは、日常の挨拶であったり、
マナーであると私は思います。
人のマナー(振る舞い、言動マナー)は、その時々を円滑にする
だけでなく、同時に社会を補修しながら社会を築き上げているよ
うです。それを考えると、マナーある行為を行わない者、あるい
は出来ない者は、社会を補修しないだけでなく、壊しながら生き
ていることにもなってしまうのかもしれません。
それはある意味、テロ行為的な影響を社会に与えているのかもし
れません。
社会的な大人とは、社会性があるということで、一人一人が自分
だけの為でなく、マナー意識を持ち、行うことで、心的な構造体
である社会を補修し、支えて行くことのように思います。

【心的存在(人間)と心的構造体(社会)】

こう考えてくると、人間が、混沌とした無意識領域を整理して、
「心的」になった仕組みと、混沌とした群が混沌とした脳を整理
しながら社会を作り上げた仕組みとは、まったく同じ仕組みのよ
うに思えてなりません。
つまり、人間の心も、家族も、社会も、国家も、国家群も、その
心的な仕組み(整理された仕組み)を壊す行為によって、簡単に
壊れてしまうようです。(例:家族間では互いの心を尊重しない
こと。国家では法律に心が含まれていない場合)

それらの組織の中で、心的な要素よりも、経済的、機能的な要素
が、大きな要素を持ってきた場合、これまでの社会の仕組みであ
る「心的構造物」は、再編成が迫られることになり、一度、混沌
の海の中に落ちてしまうかもしれません。そして、再編が終わっ
た後には、人間は「心的な存在」としては、もはや生きることが
できない新しい社会が生まれてしまうかもしれません。
もしかすると、もうすでにそうなり始めているかも知れません。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ゲンゴロウ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
    ■本の紹介【人間物語】−存在・時間・意識−■
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/gengorou/book/ningen.htm

ホームページ http://www.alpha-net.ne.jp/users2/gengorou/
メールアドレス gengorou@m08.alpha-net.ne.jp
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