[BlueSky: 338] 消化と同化 Re:314 RE:312


[From] Ken Goto [Date] Sat, 07 Aug 1999 13:51:06 +0900

池田さん、水野さん、青空MLの皆さん

池田さん【314】:
> 後藤さん:
> >さて、算数は計算問題を解くだけの教科ではないと思います。僕も、結構、頭を
> >こねくり回して、問題を解いた記憶があります。初等幾何など論理的思考力を培
> >うのにとても相応しい分野だと思いますが、違うのでしょうか?
>
> 私が「計算問題を解くばかりの算数」と書いたのは、ちょっと極端すぎた言い方だ
> ったと思います。確かに、算数で、論理的思考を培うこともできると思います。た
> だ、私が受けてきた教育では、間違わずに速く計算すること、大部分はそれができ
> るかできないで、評価が決まっていました。論理的にゆっくりと考える時間、きっ
> かけはあまり与えてもらえなかったきがします。中学高校と進むにつれて、計算力
> =
> 成績
> という図式はどんどん強まっていきました。

確かに計算力を求められる比率は高いですね。でも、図形・幾何の分野には計算
力は全く必要なかった、と思います。「幾何」に計算力が求められるようになる
のは、高校数学からでしょうか?

> 九州の質実剛健、男尊女卑の風土の中
> で教育を受けたので、そうだったのかもしれません。「つべこべ言わずにだまって
> 言われたことをしろ。」「ぺちゃくちゃしゃべるのは女、男は黙って勝負しろ。」
> こういう事を毎日のように言う先生もいました。今考えれば、何という特種な環境
> だったのだろう、と思います。私が義務教育を受けたのはそれほど昔ではありませ
> ん。12、3年前です。今どうなのかはわかりませんが。皆さんはどうでしたか。
う〜ん、僕が小学生の頃は30数年前。海軍の町、横須賀ですが、男は黙ってサッ
ポロビールとは全くいわれませんでした。やはり思春期前の中1ぐらいまでは、
授業中、周りの女の子とべたべたしてました(先生の話よりこちらの方が楽しかっ
たからです)。父からは男は一生に3回しか泣いてはいけない、などと言われま
したが、泣きたい放題に泣きましたし。

ふと今思い出したのですが、「好き放題」にするような幼少期が短いと、その欲
求が青年期以降に持ち越されてしまうのかな、と。つまり、管理教育などで抑え
続けられていると、「好き放題」のできる、例えば大学で、授業中ペチャクチャ
しちゃうのか、と。

> 同じ環境の中でも人によって受け取り方、吸収のしかたは違うと思いますが、私の
> 場合、
> 算数、数学の勉強では、「問題を速く正確に解く」という圧力が大きすぎて、そこ
> で嫌悪感を覚えてしまい、理解するというところまでなかなか到達できませんでし
> た。
とにかく、嫌いになったり、劣等感をもったりすると、その教科は駄目ですね。
義務教育の義務は、すべての子が好きになるような授業展開をすることにあると
思いますが、「教えたい」内容が多すぎる、と思います。

できる子は一応「消化」はしますが、同化まではできません。僕は「クラスで一
番できる子」だったから分かります。理科や社会科の問題は解くことができる。
でも、それは理解しているということとは程遠かったのではないか、ということ
を確信しているわけです。確信の根拠は、理科的関心や社会的関心は僕には一切
なかった、という確実な記憶にあります。つまり、知識なり解き方なりとしては
理解していたけど、関心がない限りは、同化していること(生きた知識)にはな
らないからです。

でも、学校の先生は、テストができると安心する。でも僕は、それは違うだろう、
と思ってしまうのです。大切なのは、何度も繰り返すように、本当の理解、頭でっ
かちでない理解です。それには、教材を減らさないといけない。

学力の全般的低下が憂慮されている昨今ですが、、、その原因は学校教育のせい
だけでなく、「ターザンごっこのできる町」的な要素が減ったためでもある、と
僕はまじめに考えているわけですが、、、好きこそ物の上手なれという古来の言
葉に忠実であれば、、、回復できるものである、と思う次第です。嫌いになって
しまっては教科そのものへの関心がなくなりますから、当たり前のことなんです
けどね。その当たり前のことが、できていない。何度も言うように、学校教育が
国家有為の人材を育てる、という基準に依拠しているからだ、と思います。

・・・子供の視点より、大人の視点を優先させている、といってもいいかもしれ
ません。

後藤 健
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帯畜大 生物リズム学 Phone (& Fax): 0155-49-5612

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