[BlueSky: 3374] Re:3373 分散化は特効薬になるか?


[From] k-oosima@kubota.co.jp (大島高) [Date] Thu, 31 May 2001 10:03:14 +0900

つい最近からこのMLに加えていただいた大島といいます。
ヒートポンプとか、マイクロタービンとか手掛けています。

JAWAY さんは書きました:

>そうですね。
>安全保障を重要視しなくて良い世界が良いですから。

と言うことでそちらの話題はおいておいて

>> まず、「電力の最終消費の半分近くが熱源使用」という話ですが、
>>全てコージェネの廃熱で代替可能な熱源なのでしょうか? 
>
>コージェネの導入例はホテル/病院で多い様なので、
>洗濯、給湯、消毒、暖房、清掃などでしょうか?
>その辺りの詳細は存じません。

コジェネの熱出力は、蒸気、湯程度の温度の物です。
給湯とか、暖房、吸収型ヒートポンプでの冷房あたりが主になります。
マイクロタービンの排ガス温度と言ってもたかが500℃程度です。

熱は熱量が同じでもエントロピーが低い(温度の高い)状態から使わないと
効率は上がりませんね。

>>例えば、鉄のリサイクル工場では、鉄を電気炉で溶かしていますが、
>>コージェネの廃熱で鉄は溶けません。
>
>これはさすがに無理ですね。(笑)
>でもヒートポンプを組み合わせればアルミくらい迄は行けるかも。

まるでむりでしょう。アルミの融点より高い凝縮温度の熱媒って?

温度の高い方から使うのが基本ですから、ガスならそれで炉を熱して
その廃熱で発電する、こんな順番になるでしょうね。そのあとお湯でも沸かしますか。

>> また、このメーリングリストで以前に指摘されたことですが、都心
>>部で電力をコージェネに切り替えると、廃熱を周囲に垂れ流すことに
>>なるため、熱汚染=ヒートアイランド現象の激化、が心配されます。
>
>垂れ流しはしませんよ。
>蓄熱しておき熱需要が有る際に給熱するのです。
>蓄熱容量を超えない様にバランス運転する必要がある、
>と言うのがコージェネの難しい所です。

熱に仕事をさせるのは、温度差がいるわけなんで、熱は必ず放出されますよね。
発電所で海に捨てている大量の熱の、何割かを使っても残りはやはり捨てられますね。
海に捨てるのか、都会の待機中に捨てるのかの差ですけど。

大分否定的なことを書いてしまいました。コジェネが普及して欲しいのですが
仲々普及しないのは、設備への投資負担者にとってどれほどコジェネが
利益をも足らすかによるわけなんですね。エネルギー利用のトータル効率が
上がって地球に優しくなっても、エネルギー拠点の分散化によるリスク低減が
あっても、末端ユーザーにとってはありがたみが無い。

というわけで、地球が末端に利益還元をしてくれないと、普及しにくいという・・・


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。