[BlueSky: 3166] 無洗米の環境負荷


[From] "RIO" [Date] Tue, 20 Mar 2001 09:49:41 +0900

今後の傾向を卸やぬか業者と話をしていて更にわかったことがありました。

1.ヌカの有効理由を阻害しないか?

無洗米のPRでは
今まで排水されていたとぎ汁内のヌカは、
農家や園芸に引っ張りだこ、というふれこみです。
しかし、今までもお米の重量の約10%にあたるヌカは、
主にサラダ油を作るために油脂工場に引き取られていました。

一方で、米のとぎ汁の中のヌカは、経済学で言う、限界的な量です。
日本全国で捨てられていたヌカは何トン、というような表現は、
高い物を買わせる為に
「一日にすると300円、コーヒー一杯分です」、
という売り口上を思い起こさせます。

しかも、さらに問題があることがわかりました。
無洗米工程で出る顆粒状のヌカは、油脂工場が引き取らないのです。
私のところに来るヌカ業者は、飼料も扱っているので、
処理に困った無洗米ヌカが飼料に使えないか、相談が来ているそうです。
今までマイナーだった無洗米の顆粒状ヌカは、大した問題ではなかったのですが、
これからが大変そうです。
無洗米工程では、通常のヌカに加えて顆粒状ヌカが出るのか、
全量顆粒状ヌカなのかは、現在調査中ですが、もし後者の場合、
今まで出来あがっていたヌカのリサイクルが出来なくなってしまう可能性もありま
す。


2.大気汚染を悪化させる方向か?

前述しましたように、品種を変えると精米機の設定を変えなければならず、
一つの工場で多数品種を取り扱うことは難しいので、
あらゆる品種を無洗米にしようとすると、取り引きルートが多様化します。
まず、小売は複数卸と付き合い、卸は複数工場と付き合う。
すると、どうなるでしょうか?
非常に小ロットの商品が流通するために、今までより多くのトラックが行き来しま
す。
すなわち、東京都などで問題になっている排気ガス規制に逆行します。

以上、わかったことです。

小澤 量
rio-ozawa@mub.biglobe.ne.jp


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