[BlueSky: 313] RE: 小学生に環境問題をどう教えるか?


[From] "Hosoya" [Date] Thu, 5 Aug 1999 18:18:57 +0200

池田さん,みなさん

ドイツの細谷です。

私はドイツの教育も日本の教育もそれぞれ良いところと悪いところがあるの
で,どっちが優れているかなんて考えておりません。現にどちらもそれなり
に問題を抱えており,どっちもどっちで行き過ぎが問題なのでは,と思って
おります。


ドイツの教育事情は噂ぐらいでしか知りませんが

「高校生が書いた論文を読むと,非常に理路整然と述べられていてものすご
くもっともらしいことが書かれているんだけど,よくよく内容を吟味してい
くと,どの子も同じ引用で同じ内容で,矛盾だらけで間違いだらけの論文
だった。そしてその中身は先生の考え方そのものだった。意外と生徒独自の
視点というものが感じられなかったけど,理論の展開の仕方は非常に立派。
これは見習えるかも。」
(ギムナジウムの先生に,日本についてレポートを書かせたから見て欲し
い,と頼まれた日本人より)

「ドイツ人は議論好きだけど,知識があまりないのね。だから何かを議論し
ようとするとき,相手が知らないことが多くて,その説明から始めなければ
ならないの。日本人はたくさん知識を詰め込まれるけど,その中から自分の
興味を見つけることも可能でしょ。彼らにはその基となる知識が無いから全
然話にならない。その一方で,日本人は何でそんなにいろいろなことを知っ
ているの?と驚かれる。」
(ドイツ人と結婚した日本人妻より)

「小学生の授業からして,生徒がいろいろ質問するから議論の戦場と化し,
先生がへとへとになる。」
なんていうのはよく聞く噂です。小学生でも環境に対してしっかりした意見
を持っていると言われるのは,たぶんこうしたところから生まれるのでしょ
う。

信じることから始まる教育と,疑うことから始まる教育の差と私は思ってお
りますが。


「でも,日本で子供に考えさせる教育をやらせようとしたら,『そんなこと
よりも計算問題の1つでもやらせろ』と絶対親から文句が来るよ。」と元中
学教師の人。

う〜ん,社会全体がそういう方向に向かないと難しいのかな。

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Teruyo Hosoya(Kobayashi)@Germany
hosoya@ptron.de
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