[BlueSky: 3034] Re:3022 脱ダム宣言


[From] NOIKE Motoki [Date] Fri, 02 Mar 2001 22:28:15 +0900

長野市の野池です。

ダム見直しの動きについては以下でかなり網羅されています。
参考にしてください。
http://kjc.ktroad.ne.jp/index.html

> たぶん、長野県の土木部の人とか
> 困っているのではないかなって思います。

困っているでしょうね。
ダム建設ありきで始まっているから、代替案を考えるなんてなれていない。
そもそも代替案なしに開発計画が進むこと自体に問題があったわけです。
でも、県議たちはもっと困っているでしょう。
利益誘導型の政治が変わってしまいそうなのだから。
県議会でダム推進しに躍起ですが、
あれは住民の安全確保のためというよりも、
自分達の身の保全のためだと、ぼくは見ています。

> 水を安定供給するのは、市民生活を支える土木にとって絶対必要条件。
> でも、環境のためにダム建設はやめるべき。

利水と治水は分けて考える必要があると思いますが、
水の安定供給は、土木というだけでなく、行政にとって絶対必要条件でしょう。
でも、これとダムとは必ずしも結びつかないはず。

上水道水源としての安定供給を考えるなら、
現在において緊急の課題は、水の安全性ではないでしょうか。
これ以上ダムをつくる前に、産廃場なりをどう水源地から追い出すか、
また今後つくらせないようにするか、
できてしまっているものは撤去も考えた方がいい。
地下水汚染も進んでいるはずですから、
こうした対策をどんどん講じていかないと、
将来の選択肢を狭めてしまうことにもつながります。

佐川さんがご指摘なさっているように、過剰な水使用の問題もあります。
節水、中水、雨水利用など水利用のあり方も考えなくてはならないでしょう。
これを進めるためには、やはり補助金制度の見直しも必要です。

治水に関しても、もはやハードの頼りきることは、財政的に見ても無理です。
やはり洪水の危険性をはやく察知したり、
それを速やかに伝えるシステムづくりがむしろ必要なはず。
もはやこの日本社会では(個々の事例によって違いはあるでしょうが)、
土木的対応よりも危機管理的な対応が重要になってくるのでは。

ただし、もちろん土木は必要なわけです。
でも、いままでどおりにはいかない。
21世紀はソフト開拓の世紀かな、なぞと思っています。

> 長野で勉強会などは、開かれないのでしょうか?
> あるのなら、是非参加してみたいです。

知事の動きは激しいものですから、
勉強会の予定をたてている間に状況がかわってしまいます。
目の前の社会の動きが日々勉強会みたいな長野県です。
おもしろいですよ。

>
> 困っているところにこそ、あたらしいものが生まれる!?
>
> あたらしいモデル像(開発?手法?)を模索するのに、
> 環境と向き合い問題となっている現場に行きたいです。
> なにかご存知でしたら教えてください。

長野県のどの現場に行っても、
それぞれの立場でみんないろいろ考えているのでは。
従来どおりのおまかせではすまなくなっていますから。
気を抜けない毎日です。


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。