[BlueSky: 2994] 2983 集合生物 


[From] 長谷川 [Date] Tue, 27 Feb 2001 02:08:26 +0900

青空MLの皆様、お久しぶりです。 ダイ(ハンドルネーム)です。
akiraさん:
さらに踏み込んで、須賀さんの専門にからんで、ひとつの仮説があるのですが。
中略〜
そしてバッタが孤独相から群生相へと変貌して世界に災厄をもたらすように、
『アメリカ』も群生相へと変貌し、世界に災厄をもたらす・・・
地球を何回も滅ぼすほどの核を蓄えて、常に無言の圧力で世界を支配し、
イラクが憎けりゃ戦闘機でヒトッ飛びして飛蝗のように大地を蹂躙する。
そして、さらに極めつけは、その怪物的生態(名付けて貪欲!)は、ミーム
として輸出され、他の文化圏をも怪物化し、全人類を慎ましい孤独相から
群生相へと変貌させるとしたら・・
→関連するか分かりませんが私の仮説(超要約版)も聞いてください。
(よろしかったら、批判等いただけると嬉しいです。)
「国富論から派生したと思われる功利主義は、グローバルスタンダード
という言葉に寄生して広がり続け、将来的には一つの文明として世界を覆う」

 「文明の衝突」でハンチントンは、冷戦終了後は文明が人々のアイデンティティを
決める時代になるため、異なる価値観の文明同士の衝突が起こると述べていました
が、私は基準を統一することで文化相対主義は廃れ始め、かつ、センが飢餓は民主主
義においては生まれないことを実証した影響を受けて低開発国の民主化がすすむ、す
なわち世界規模の欧米化が予想されるため価値の単色化がおこるのではないかと考え
ております。しかしながら、現実に国家という単位が存在する以上、功利主義化した
国の中でも覇権国を巡って争いが起こるのではないか、そしてその時期において唯一
の被爆国である日本が平和という価値を世界に訴えたとしても功利主義が深く内面化
されてしまった人々を止めることはできないのではないでしょうか。そして、集団の
凝集性は外部と競うことで高まるので、状況によっては競争(戦争)を煽ることは支
持率向上に好都合であり、かつリーダー自身も一度その論理に乗ってしまうと社会的
な見えざる力によって単一方向に向かうことを抑えられなくなるという事態が起こり
えるので競争助長の道を辿ります。
 日本における個人主義の曲解、敗戦後に神(特にキリスト教)の概念が弱いにもか
かわらず植え付けられた民主主義を1因とする現日本の社会問題を考えてみても、国
際化と欧米化を同一視すると必ず大きな弊害が起こるので、日本は今後も国際化を目
指すならば、安易に「世界水準」といった既成の概念を賛美するばかりではなく、文
化相対主義的な視点を持ち、非欧米国にも目を向けるべきではないでしょうか。


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