[BlueSky: 2975] Re:2972 血縁淘汰・互恵的利他性


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Sat, 24 Feb 2001 16:45:28 +0900


後藤さん、お久しぶりです、葛貫です。

> さて、では、「遺伝子の意志」が「ある」としたら、それを実行しなく
> ていいのかい、と問うことに妥当性があるでしょうか?本メールではこ
> の点を問題にしたいと思います。
・・・中略・・・
> 一方、赤ちゃんを生み育てることに喜びを感じ、幸せを感ずる能力を、
> 人間は遺伝的に(潜在的に)備えています。で、生み育てることによっ
> て幸せを感ずることのできるひとは、幸せです。

心が持とうとしないものを、「〜べきだ」と頭の命令で持ったとしても、
幸せにはなれないですよね。私は、偶々、生み育てることによって幸せを
感ずることのできるタイプだったのだと思います。

> 現代の社会状況が、↑の二つの能力とも、うまく開花できるよう
> には、一般的にはなっていない、という点も重要な論題には違い
> ありません。また、「生み育てる」ことを難しくする、いろいろ
> な社会問題もあります。

上手に伝えられないのですが、【2943】で書きたかった内容は、
自然な本能のようなものが、マスメディアが示した「理想のライフスタイル」
のようなものによって抑えられていないかということでした。

女性でも高学歴なり特殊技能を身につけ、男性と同じように仕事をこなす
ことが第一。最近、エッ??と思った新聞記事では、人工的な手段を用い
れば、一仕事なし終えた50代でも出産可能なんていうのもありました。
でも、赤ちゃんが生れてから数ヶ月の間、授乳をしたり、おむつを変えた
りで、親の側は赤ちゃんの欲求に合わせるしかない。仕えるというか、
ほとんど奴隷状態を経験するわけで、一旦、社会的に偉くなっちゃった人
には辛いかもとか、体力勝負だしとか、余計なことを考えてしまいました。
35歳過ぎて、急に子供がほしくなり、医者を渡り歩いている友人もいた
ものですから、マスメディアが提示する「理想のライフスタイル」に躍ら
されていないか、確かめた方がいいかも、ということを伝えたかったです。
#自分の在り様を正当化したい想いもあったのだと思いますm(_ _)m。

> それどころか、「科学」的な装いを帯びているだけに、「正当化」され
> やすく、ある種の全体主義につながっていく危険性を孕んでいる、と思
> われます。
> 社会生物学的知見はいか
> なる意味においても、人間行動の「倫理」的基礎を与えることは
> できない、ということを述べてみました。さらに、「与えること
> はできない」はずなのに、与えようとすることは、科学的行為で
> はなく政治的行為である、という点に注意してもらいたかったの
> でした。

はい。
2年ほど前にDGCの掲示板で、私の「利己的な遺伝子」という言葉の
使い方がカテゴリーエラーだと秦野さんから御指摘戴いたのですが、
どうして、とうかがう勇気が持てず、機会を逸してしまい、ずーっと気に
なっていました。
わかりやすく説明して下さった須賀さん、後藤さんに、感謝しています。
ありがとうございました。



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