後藤@帯畜大さん、葛貫さん、みなさん
須賀です。
後藤さん:
> ・・・軍国時代には、産めよ殖やせ、が社会的スローガンにもなった、
> と聞きます。
>
> 「産む」選択肢への正当化の一つに、生物学主義とでも呼んだらよいよ
> うな思想、態度を感じることがあります。
単に論理的に考えても、血縁淘汰や互恵的利他性の進化といった
社会生物学(行動生態学ともいう)の理論は、こういう考え方と相性
は別によくありません。
これらの理論は、自分で直接こどもを産まない生物個体でも「利他
行動」によって自分の遺伝子を結果的にのこすことがありうる、と
いうようなことをいっているのですから。「遺伝子の意志」が仮にある
と比喩的に考えても、その意志は「自分で子どもを産みなさい」と
いつもいっているわけではない。むしろ「血縁者を助けなさい」とか
「自分に親切にしてくれる相手があれば他人であっても親切にしな
さい」という場合もある・・・というのがこういうオハナシの面白いと
いえば面白いところかもしれません。
そうはいわれても、実際問題として僕に親切にしてくれるひとに親切
のお返しをしたくなるときに、別にそういう「遺伝子」を残そうなんて
ことを考えるとはありません。単に自分がそうしたくなるからそうする
だけで。遺伝子がどうしたいかじゃなくてまず自分がどうしたいかが
大事、ていうか遺伝子ってだれ?(笑)
須賀 丈
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