[BlueSky: 2846] Re:2841 「禁じなければいけない遊び」


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Tue, 6 Feb 2001 10:42:18 +0900

ゲンゴロウさん、こんんちは、葛貫です。

> 「墓を作って遊んでいる時点では、死は、他人事で、遊びでしかなく,
> 当然,両親が死んでしまった時も「死」が何を意味するのか、
> わからなかった。それは,死んだ者をまだ,大切だとは気が付いて
> いなかったから。」ですね。

細かいことですが、「大切だと気が付いていなかったから。」ではなく、
「大切な人が死んでしまい、もう、この世に存在しない。」ということが、
どういうことかを知らないということです。
「禁じられた遊び」の女の子の場合、まだ幼いですから、衣食住等、
現実的な面でのケアは親から受けていたわけで、それが得られなく
なってしまう。心理的・精神的な支えになってくれる人もいなくなって
しまう。かかわり合っていてくれることが当たり前だった人が、消えて
しまうということが、どういうことなのか。
それを、時間をかけて思い知らされて行くことになるのだと思います。

「ほたるの墓」という邦画、ご覧になりましたか。
大人でさえ、その日を生き延びるのが精一杯の時代に、庇護者を
失った子供達がどのような生活をしなければならなかったか。
野坂昭如さんが小説の中で、おむすびを妹に分けず、隠れて食べ
てしまった自分について書いていらしたように記憶します。
一種の極限状態で「自分」に直面することは、辛いことですね。
ある程度余裕を持っている、今、この状態で自分の頭に浮かんで
くるもっともらしいこと、私、あまり信用していないんです。
だから、いつも歯切れが悪いんです。

では。



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