[BlueSky: 282] Re:[277] 自然農法について


[From] kuga@nacri.pref.nagano.jp (KUGA, Hitoshi) [Date] Tue, 3 Aug 1999 18:56:20 +0900

巖さん、みなさん。
                     陸です。

巖[277]さん;
>  自然農法に対する疑念はまだ消えません。
(略)
>  化学肥料の多用で荒れた土壌が、この方法に切り替えたあと雑草の遺体が分
> 解してできた有機物で次第によい土に帰っていく、というのなら納得できます。
> でもそれは切り替え後一定期間だけの話です。ある程度有機物がたまったら、
> あとは定常状態になるのではないのでしょうか。

わたしもそのように思います。
「どんどんよくなる」というのは「切り替えから20年目の今までは」ということでし
ょうね。永遠によくなり続けるということはちょっと考えにくいですね。

巖[277]さん;
> -----------
>  私がよく耳にする自然農法は、福岡正信氏による不耕起、無肥料、無農薬、
> 無除草という農法で、陸さんが触れられている方法とは除草するかしないかが
> 違っていますが、まあ基本的に同じものでしょうね。福岡氏の「無為自然を本
> 義とする」哲学に基づく究極の理想の農法だそうです。少し前には、ビジネス
> ジャンプにラデック鯨井氏作になる「SEED」という漫画が連載されていま
> したが、この作者も福岡氏のこの農法に感銘を受けて、その辺のことをネタに
> して物語を描いていました。市民公園の一角を主人公が草ぼうぼうにしたまま
> その中に野菜を栽培しているシーンが何度も出てきました。

わおっ!そんなところに広まっているとは驚きですね。
福岡氏は有名ですが、福岡氏の言うとおりに実行してもなかなかうまくいかない、と
いうのも有名らしいです。
 川口さんは、福岡さんの「耕さない」という点のみには忠実ですが、稲も苗床をつ
くり田植えもしますし、いろいろと工夫しておられます。基本は普遍的でも、あらゆ
る点でこれですべてよしという方法など農には無い、地域により人により各様という
面が大切だ、ということも川口さんは述べています。 (う〜ん! 含蓄がある!)


★今年になってテレビの30分番組(お茶の水博士がCGで出てくるドキュメンタリー)
で川口さんと周囲の2軒の稲作農家の稲作比較を行っていました。比較対象になった2
軒のうちの一軒は普通に耕作機械を使って耕して農協のスケジュールで化学肥料と農
薬を使用している家で、もう一軒は機械は使うが低農薬で有機肥料を使っている家で
した。
 手間の時間は、機械を全く使わない川口さんが圧倒的に長かった(といっても化学
肥料の家の4倍くらい)ですが、川口さんの米に有機米としての標準的な値段を付け
た場合には、収益は4倍くらいになっていて、有機肥料の人とほぼ同じでした。
 それと、川口さんが稲作で忙しいのは最初のうちだけで、収穫前の約2ヶ月は暇!
というのもおもしろかったです。


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 陸  斉 (KUGA, Hitoshi)
  kuga@nacri.pref.nagano.jp  
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