[BlueSky: 2767] 狂牛病パニック第二波


[From] "Sato, Kenji" [Date] Sat, 20 Jan 2001 00:44:15 -0500

佐藤です。

19日付けのニューヨークタイムズ・ウエッブの記事にFDAの科学アドバイザー(15
人からなる)が、1980年からフランスに10年以上滞在していた者からの献血は禁止す
る事に決定したと出ていました。英国のブリテンの場合は、6ヶ月以上滞在していた
人は献血出来ないそうです。ヨーロッパ全域を対象にするべきだと言う意見もあった
ようですが、献血の確保に支障が出るかもしれないからか、見送られたようです。い
わゆる狂牛病が輸血で伝染するかどうかは、人では確認されていない(動物ではあ
る)のですが、AIDSの轍を踏まないようにという意味合いが強いのでしょう。
(このNYTの記事、何処かで見たことがあると思ったら、中澤さんに紹介いただいた
http://www.mad-cow.org/のAssociated Pressとほとんど一緒の言葉を使っている・
・・・出所は一緒かな?)。

医学・生物学をやっている者にとって、狂牛病のプリオン説はなかなか受け入れがた
く、プリオン説の提唱者がノーベル賞を貰っていても、まだ、ウイルス様の因子に固
執したくなります。WHOのページ(http://www.who.int/inf-fs/en/fact113.html)では
さすがにそのあたりも配慮してか、プリオンを原因物質とは断定してないのですね。

もし、プリオン(蛋白質)が狂牛病(=ヴァリアントCJD)の原因因子であり、たと
え煮ても焼いても発病因子としての能力を保持していたとしても、動物から動物、あ
るいは人から人への直接の自然伝搬がない限り、恐るるに足らない病気です。病牛を
淘汰して、リサイクルをやめれば、いずれは地球上からなくなるはずです。でも、羊
のスクレーピィーの様に動物から動物に伝搬して行ったら根絶は難しくなります。

あと、摂取量と発病の関係(BSEの肉をほんのちょっと食べただけでも発病するの
か)も気になります。ヨーロッパに何年間滞在していたなんて関係なくなります。実
は、私も流行ってた頃にイギリスにいた事があり、ステーキも食べた気がする・・・
・。(ヨーロッパ旅行した人がみんな危ない?)潜伏期が40年あれば、私には十分で
すが。

日本の省庁(厚生省、農林省・・・名前が変わったのかな?)の反応はほとんどない
のでしょうか?

細谷さん:
> カナダで食用鹿から狂牛病?が見つかって大量処分されたという噂を聞きました
が,
> その辺のニュースはどうでしょうか?
寡聞にしてそのニュースは知らないのですが、北米鹿はTSE(Transmissible
Spongiform Encephalopathies)は以前から知られているようです。(北米ではほと
んどの鹿がゲーム・食用です・・・。)たしか、数年前、隣の州のウイスコンシンで
ミンクのTSEが大量に出たっていう報道があったような気がする。不確かな情報です
みません。




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