[BlueSky: 2749] Re:2746 人間のさが


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Sat, 13 Jan 2001 16:00:14 +0900

葛貫です。

氷点下の世界に住んでいらっしゃる方には笑われそうですが、今日は、
とても寒くて、外出する気になれなかったので、今迄、娘が借りてきた
「ジャンヌ・ダルク」【1999.Cloumbia Pictures Industries,Inc】のビデオを
見ていました。

ジャンヌを利用して、新しい体制をつくって行こうとした新フランス王
の強かさ、ジャンヌへの「神の啓示」が本物だったらという怖れを抱
きながらも権威・権力を固守しようとした教会のいぎたなさに加えて
何よりも、初めは「純朴な善意の人」であったのに、いつの間にか
テロリストになっていた自分、アジテーターになっていた自分、無意
識のうちに「神のしるし」を見つけたように思い込み、詭弁家となって
いた自分に気付かされて行く後半部分、如何ともしがたい人間の
さがを見せつけられるようで、切なかったです。

#彼女には、外交による調停という選択肢は考えられなかった。
#流れを読めなかった? 思考や行動の慣性のため?
#今迄、犠牲にしてきたものや、今迄の自分に対する義理のため?
 
akiraさん:
> 人間行動のショーケース = 歴史、です。本質を見据えるためには歴史を
> 見据えるべきではないでしょうか?
>
> ナチスのホロコーストが人類に対する犯罪なら、アメリカによるインディアンの
> 殲滅も、人類に対する犯罪でしょう。東条英樹が死刑になるのなら、トルーマン
> (真実の人!)も死刑になるべきでしょう。

歴史の解釈も様々なわけで。
そんなヒトラーや東条、トルーマンを受入れ、その流れに乗った同時代
の人も同罪でしょう。彼らの唱える「正義」が、その時代に生きた人々が
持っていた内に籠った不平、不満、行き場のないエネルギーのはけ口
になったとも考えられるわけで。
実際の構図はそんなに単純ではないのかもしれません。

> 表の歴史は常に勝者によって記述される。

今、勝者の立場にある者は、自分達の在り様を、正当化しなければ居心
地悪いのでしょう。勝者が敗者となった時は、逆の解釈がなされるわけで。
科学(事実の羅列)とは異なり、歴史の解釈は、その中で執拗に記されて
いるものが何かわかってくると、根拠がないのに、正当化したがっていた
こと、守りたがっていたものが何なのかが感じ取れて面白いですよね。



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