[BlueSky: 2710] Re:2709 新陳代謝


[From] "Sato, Kenji" [Date] Sat, 6 Jan 2001 10:27:42 -0500

佐藤@ミシガンです。
葛貫さん、素早いレスポンスありがとうございます。

> #脳細胞は、ある年齢以降、減るばかりだと聞いたことがありますが、
> #残る脳細胞を構成する物質は新陳代謝するのですよね?
> #御存知の方がいらしたら教えていただけたら幸いです。
もちろん、脳細胞を構成する物質は日々入れ替わっています。3ヶ月まえに私の思考
を構成した神経細胞内の水素原子は今は廃水処理場の名も知れぬ細菌の膜になってい
るかも。昔は脳細胞は減るばかりで、再生しないなんて考えられていたのですが、現
在では通常状態でも再生しているだろうと言う考えが一般的かと思います。

> 人の社会も、生れて来る者がいて、死んで行く者がいて、新陳代謝が
> 行われている。生物の歴史をみると、栄える種がいて、滅んで行く種も
> いる。有利に残ることができるのは現在の環境にあった「情報」を持っ
> たもの、更に、今後の変化を適確に予測した情報を産み出し、それに
> 備えることができるものであるように思われます。
>
> そういう意味で、日々、自分自身の情報(先天的なものは無理かな)を
> 更新して、旧くならないでいられれば、環境(自然・社会)の変化の影響
> を無防備な状態で受けることなく、多少なりとも、自分の生のイニシア
> ティブを取ることができるのかもしれないと思いました。

私もこういった類推や演繹による想像・思考の展開を楽しむ方なのですが、たとえば
社会学にダーウィニズムを持ち込んで現実の姿を捻った視点で捉えることになったよ
うに、類推・演繹には気をつけた方が良いのではないかと思っています(ごめんなさ
い、質問しておいて、批判的な事言って。と言うのも、最近の青空メールを見ている
と類推を根拠とする話が多い様に感じましたので。)

おそらく生物進化や個体の適応についての捉え方が葛貫さんと違うからか、はたま
た、私が人生を軽く考えすぎているからか、”自分自身を更新し、自分の生のイニシ
アティブを取る”なんて理解不能に陥ってしまいます。(うう〜ん、人の思考を追う
のは難しい。)今の進化論では、たまたま現在の環境が有利に働く突然変異を蓄積し
た生物が、何とか生き延びているだけであって、変化を予測してそれに備えて遺伝子
を変える生物なんてありえないことになっていますよね(葛貫さんは当然ご存じで
しょうが)。で、往々にして、生き残るのは非の打ち所のない屈強な生物種ではな
く、単なるはみ出し者のへなへな者であったりするわけです。変化を予測して自らを
変える事が自分の生の主導権をとることになるのでしょうか?

私にとって、自分自身とその他(生れてから得た物や、社会的なステイタス)の区別
の問題はとっても難しい。(ところで、ミームって何ですか?)生物学的には頭の先
からつま先までが私だろうけど、長年の自堕落な生活で付いたお腹の脂肪は、断固と
して本来の私ではないと否定したい気がするし。かと言ってこうやって日本語を使っ
てコミュニケートする能力は、私という人間を形作っている一つの側面でもあるわけ
で・・・。英語を喋っている時と、日本語を喋っている時の人格が変わる人もいる位
だから、言葉に付随した文化も私自身かもしれない。

> う〜、パソコンのキーボードを変えたら、タイプが上手くできないだけで
> なく、言葉も思うように出てこない。
> 指の動きと脳の働きが連動しているのかしら(@_@;)?

キーボードも葛貫さんの一部と化して来たのでは。


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