[BlueSky: 2637] Re:2624 シッダルター


[From] HIROKI Masato [Date] Thu, 21 Dec 2000 19:52:11 +0900

akiraさん、みなさん

広木@ICUです。

> 佐川さん:
> > 欲望は、「社会性の本質」です。
> > 若者が「欲望をすて己をすてる」ということは「社会的存在で
> > あるところの人間」をやめるということででもあります。
>
> 欲望は他者との関係性を築くための原動力です。が、ただそれだけでは
> 反社会的なものです。なぜなら、欲望とは基本的に個の中で閉じており、
> 極めて利己的なものだからです。

akiraさんのおっしゃる「利己的」とはどのようなことか、
私にはちょっと分かりづらいです。
「反社会的」も曖昧です。

> 話題がとんで恐縮ですが・・
> 江戸時代の殿様たちは、日常生活では意外と質素な暮らしをしていたそうです。
> 鎖国という条件下で、農業という生態系の生産力を前提に、限られた地域内の
> 限られた循環を土台として国家が成り立つ時、殿様といえども他者である
> 農工商の人々や野生動物・自然生態系との関係性という兼ね合いの中で、
> 自らの欲望を抑制しなければならなかったという事でしょうか。
> 江戸時代というのは確かにいろいろと問題はあったと思いますが、
> 現代に比べてはるかに「社会的」に健全だった様な気がします・・・・
> 後世からみたら、現代と江戸時代とどっちが暗黒時代と評価されるのでしょうね。

個別の事例だけを取り上げて、「江戸時代は..」という話をすると、
物事の本質を見落とす危険があると思います。
「分散」がどのぐらいあったか、過去の事例の観察者、記述者が
そこにどれだけ注意を払っていたかを見のがせば、
サンプリングエラーが生じることになります。
ですので、たんに「昔は良かった」的な話は、
問題解決の芽をつむ恐れがあります。

釈迦の人生を否定する気は全くありませんが、
「聖職者は詐欺師にとって格好のカモである」
という言葉もあります。
人間行動のユニバーサルな側面を見ることが、
重要ではないでしょうか。

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広木眞達(HIROKI, Masato)
国際基督教大学生物学教室加藤研究室
〒181-8585 三鷹市大沢3-10-2
TEL 0422-33-3269 (加藤研究室)
email address:hiroki@icu.ac.jp
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