[BlueSky: 257] RE:239 欧州の原発事情について


[From] "Katsumi Tamaoku" [Date] Mon, 2 Aug 1999 17:32:17 +0900




池田さん、細谷さん、みなさん、こんにちは。
     玉奥です。

池田さん詳しい情報をありがとうございます。

池田さんwrote:

>フライブルクは、フランスの原子力発電所に対して敏感にならざるを得ない町
>です。というのは、フライブルクは、フランスのアルザス地方まで約20キロとい
う、
>地理的にも、文化的にもとても近いところにあります。アルザス地方のドイツ国境
>沿いにある原子力発電所も目と鼻の先です。風は主に西のアルザス地方のほうから
>東のフライブルクのほうに吹いてくるので、フライブルクは、何かあった時に被害
>を受ける確率が非常に高い場所です。原発反対運動を行なっている市民グループ
>もいくつかあります。大方の市民は原発のことをあまりよく思っていないと思いま
す。
>
>フライブルクで環境運動が活発になったも、「原発」がきっかけだったそうです。
>70年代前半にフライブルクからさほど離れていないある町に原子力発電所の建設
>計画が持ち上がりました。この時、学生を中心としていろいろな階層の市民が反対
>運動を繰り広げ、連邦政府は結局計画を断念せざるを得ませんでした。
>
>そのあとに起こったチェルノブイリ事故は、この問題に対する市民の意識をさらに
>敏感にさせたそうです。この時、ドイツでは大規模なデモが行なわれたそうですが
>、フランスではそれほど騒がれなかったそうです。
>
途中略
>
>少し横道にそれてしまいました。エネルギーの話に戻ります。
>実は、皆さん驚くかも知れませんが、環境都市といわれているフライブルクも、電
>力の約40パーセントをフランスやスイスの原子力発電所からまかなっています。
>市のほうは、太陽熱発電、風力、水力発電、ゴミからでるメタンガスによる発電、
>廃熱利用など推進していますが、経済的な理由から原子力とはまだ手を切れない
>でいるみたいです。こういった複雑な理由から、政治家はフランスの原発を強くは
>批判できないのではないかと思います。

スイスの原子力発電所数は5基で、原子力による発電比率は37.2%(1994年)
となっておりました。その他ドイツの隣国ではベルギーが56.2%、チェコが22%、
オランダが5%でした。オーストリアは69.1%が水力で、デンマークとポーランド
がほぼ100%火力でした(いずれも1994年のデータ)。
ポーランドの火力発電所からの煙はどうでしょうか。SchwarzWaldは回
復した
のでしょうか。日本の西部では中国の経済発展に伴って酸性雨が広がっている
ようですが、日本の土壌は酸性に強いので木全体への影響はまだないようです。

>また、もうすぐドイツでは電力市場が自由化されます。そうなると、安く電力を供
>給できる大手の電力会社が有利になってきます。こういうところは、安い外国の
>発電所(原発も含む)から電力を買っています。従来の市営、町営の電力供給
>会社は存在の危機にさらされています。それら各地の小さな電力会社は、安さ
>ではどうしても大手に負けてしまうので、現在「クリーンなエネルギー」を売りに
>出すなど、イメージ戦略を試みています。フライブルク市営の電力会社も、
>「Regio(地域)」というのを今年の春からはじめました。これは、市民が自
由意志
>によって電力のタイプを選択できるというものです。「Regio」をせんたくす
れば、
>自分のところで使う電力はすべてフライブルク周辺のクリーンな発電所(太陽熱、
>風力、水力など)から供給されます。また「Regioプラス」というタイプを選
べば、
>太陽熱だけから電力を供給できます。市民は自分の意志によって、原子力発電
>から手を切れるわけです。普通の電気代よりちょっとだけ割高になりますが、
>問い合わせは会社が予想したより高かったそうです。現在、当初の目標顧客数
>は達成されたと聞いています。
>
>以上が、私が現在知っていることです。政治的なことについては残念ながら詳しく
>は知りません。何か情報が入れば、またお伝えします。

「Regio]、「Regioプラス」はいいですね。しかも目標客数達成とは
。市民の環境
意識が高いのでしょうね。
本来はクリーンエネルギーのほうが安くなるように配慮すべきでしょうが。

では、また。    玉奥克巳



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