[BlueSky: 2549] Re:2545,2547 人間の quality


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Tue, 5 Dec 2000 11:05:17 +0900

葛貫@閑人(^_^;)です。

akiraさん:
> 文明開化して、欧米列強に追いつけ追い越せと、国全体が登り調子の時に
> は、人々はおしなべてひとつの気概を持っていた。
> それは、「よーし、天下国家に恥じないものを造ろう!」とでもいう様な・・・

それに恥じないものをつくりたいと思えるような天下国家がない。
また、そのような天下国家をぶち壊すという気概をみせてつくりたいと
思うユートピアのヴィジョンもない、つくりだせない(自嘲をこめて)

> 千数百年立ち続けている法隆寺にしても、宮大工さんの言う、「樹齢千年の
> 木を伐って使うなら、千年は立ち続けるものを造らなければ・・」という言葉に
> それが表れていますね。

「他のいのちの犠牲の上につくりあげる」ことに誠実に取り組むことは、
天下国家の話とは違い、共感できます。

> 現在、国家的規模の建設プロジェクトでも、それに関わる人間の内何人が
> 「よーし、天下国家に恥じないものを造ってやろう!」という気概を持って
> いるでしょうか?

今日のニュースを聞いていて、ロシアの首脳は「強いロシア」を演じる
ことで国民の気概を鼓舞しようとしている、また、「強いロシア」を演じ
始めることで「強いロシア」をつくりだすつもりなんだ、と思いました。
首脳が求める「強さ」が一般市民が求める「質」と一致しているかどうか
は???ですが。

> これからの時代、文明の存続を脅かす本当の脅威は、外から来る自然災害の
> 猛威よりもむしろ、この人間の劣化による文明システム内部からの自壊作用
> ではないか・・
> そんな気がするのですが。

エネルギーを費やして整理整頓しなければエントロピーが増大してしまう
ように、動機となるユートピアのヴィジョンを与え続けなければ「人間の
劣化」は進んでしまうものなのでしょうか。
#「ユートビア像を与える」という言い方は、如何にも調教っぽい教育の
#方法のようで、ちょっと違う、と思うのですが・・・・・。

> akiraさんwrote:[BlueSky: 2546]
> > 小人閑居して不善をなす。と言います。有閑マダムという言葉もあり
> > ましたね(笑)

佐川さん:
> そういうことじゃないと思いますけど・・・・・(^^:)

引用の仕方が下手でした。ごめんなさい。
「されどわれらが日々」という本は、1960年安保前後の学生の生き様
が書かれている小説です。私は1961年生れなので世代が違うのですが、
「無党派であるということも含めて、自分の生き方を慎重に選んできた。
意味のある、いや、意味のあり得ると思われる生き方をね。佐野は違う
生き方に意味があると信じた・・・ぼくから言わせれば、信じたがった。
信じることは楽だからね。」と、著者が曽根という人物に語らせていた
言葉がとても印象に残りました。
重信さんが逮捕されたこともあり、読み返していたので、つい引用して
しまいました。
#重信さんは、本当に「革命」を信じていたのだろうか。
#革命を信じている自分を演じ続けることが、一番心地よかった、
#あるいは、違う自分を演じるより「まだ、まし」だったのだろうか、
#等と、ニュースを聞きながら思いました。

> > 裸足で荒野を歩いていた石器時代、生は決して退屈な時間潰しなどでは
> > なかったはずです。

佐川さん:
> 石器時代であっても「生が結局は、各種の時間潰しの堆積である」
> ことには、かわりがありません。

それを意識してしまったかどうか、言葉として認識してしまったかどうか、
で大きな違いがあるような気がします。

> 退屈だァー!と閑居して、キョロキョロと不善を漁る。そして、この不善に
> 協力するような商品が、また飛ぶ様に売れるんだナ、これが。

バブル初期に「ほしいものが、ほしい」というデパートのコピーがありましたね。
東京湾で海苔をとっていた、身体の疲れと頭の疲れのバランスがとれていた
(と思われる)祖父が、はた「らく」という「楽」があり、たい「くつ」という苦痛が
あると言っていたのを思い出しました。

とりとめのない話になってしまって、済みません。
では。


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