[BlueSky: 252] Re:223 RE:173


[From] "Kaz. Yokoyama" [Date] Mon, 02 Aug 1999 13:44:29 +0900

池田さん,MLの皆さん

池田さん初めまして,一国家公務員の横山@農環研です。

>地方に権限がないこと。環境破壊は地球レベルの問題ですが、個々の問題は地域レ
>ベルで解決していくのが望ましいと思います。国家レベルでの一つ大きな改革より
>、たくさんの地域レベルでの改革のほうが、はるかに効果的ですし、時間のロスも
>少なくて済みます。住民の声も反映しやすいでしょう。そのためには、時間のロス
>が多く、地域住民の声を反映しにくい中央集権のシステムから、地方分権のシステ
>ムへ移行を進めていく必要があるのではないでしょうか

権限の委譲と言う意味では賛成です。
しかし,地方自治体に権限を委譲しても,国のミニチュアをいっぱい作ることにならない
か心配です。」自治体にもピンからキリまで有るようですが・・・・

もっとも,地方自治体の首長は直接選挙で選ばれますから,結果責任を自覚する
機会が国よりも多いと考えれば,今よりも歯止めが利くかも知れませんね。

皆さん環境破壊的浪費行為を決済した首長の名前はしっかり記憶しておきましょう。

>私は実際に行政の内部にいたことはありませんので、ここに書いたことは
>間違っているかも知れません。もしこのメーリングリストの中に行政で働いて
>いらっしゃる方がいましたら、実際の問題点など教えてください。

私は国立の研究所で働いていて,純然たる行政機関ではありませんが,私たちの
研究は行政施策と密接に関与します。そう言う意味で行政組織の一員であることも
確かです。この立場は非常に微妙です。仕事上,秘匿性の高い情報にも接する
機会があり,守秘義務が課せられています。MLでの発言で,もどかしさを感じるの
もそのためです。私個人として考えたこと,感じたことしか公には話せないという点
もご理解下さい。

>現在ドイツでは、行政主導型の環境政策が各地で成功をおさめています。しかし、
>いろいろな人に話を聞いてみると、昔から行政がリーダーシップをとっていたわけ
>ではないそうです。

同感です。
むしろ,環境問題を解決する行為や組織が,経済的にペイするようにする方が
良いのではとも考えています。その方が,遙かに小回りが利きますね。
環境税の問題でも痛感しますが,国の政策は今も基本的に殖産興業です。
環境税が今まで通らなかったのは,その基本政策と合わないという抵抗にあった
からです。2001年に向けて国の体制も大きく変わろうとしていますから,今後は
わかりませんが,環境問題のような全員にとって大事なことは,反応が遅い役所
だけに任せるのではなく,一市民として声を出す習慣を日本に定着させる必要性
をより感じます。裸地税のアイディアなんて面白いと思いますよ。青空MLの成果
として機会あることにわーわー主張しようと思います。
(発案者さん良いでしょうか?)

横道に逸れますが,
10年近く前,事情があってアメリカのコーネル大学にちょっとだけ勤めていまして,
辞めて現職に就くために帰国するに当たり,何人もの同僚から「何で好きこのんで
公務員なんぞに?」と聞かれたことを思い出します。当時はアメリカは双子の赤字
でどん底を這っていましたが,国に頼らずにビジネスで旗をあげることに価値をおく
気性が隅々まで行き渡っていたのでしょう。

私は見習いたいと今も(実際は,身分規制などでなかなか困難ですが,自由化され
たらネットワークを利用した仮想民間シンクタンク会社を作りたいと・・・)真面目に考
えています。

ところで蛇足:確か中国語でvirtualは「虚偽」だったと思います。中国は深い。

Kazunari Yokoyama, Ph.D.
Soil Microbial Ecology Lab.
National Institute of Agro-Environmental Sciences, Japan
Phone:+81-298-38-8300
Fax:+81-298-38-8199


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