[BlueSky: 250] Re:222 社会の巨大化と個人責任


[From] "Kaz. Yokoyama" [Date] Mon, 02 Aug 1999 12:17:49 +0900

山本さん,後藤さん,MLの皆さん

しょうもないことばっかり言う和尚@農環研です。

>いやだなぁ〜、闘うなんて、議論の場所を増やしただけですよ。
>はっはっは
>いろんなところでいろんな議論があった方が楽しいし
>ものの考え方が固執しなくていいと思いますよ。

山本さん,回答有り難うございます。事情が分からずに気軽に聞いてしまいました。
私もその考えに全面的に賛成です。
ただ,(強制退会だなんて)環境論MLの管理者がそうではないのかな。。。

後藤さん,詳しい説明を有り難うございます。
納得しました。

>しかし、「複雑系」の中にある社会的構造は、「人類の全体的傾向」から「分け
>て」「抽出」しないと、全体(複雑系)を見ることはできない、と僕は考えるわ
>けです。

残念ながら「分けて」,「抽出」すると全体が見えなくなるのが「複雑系」です。
ですから,悩ましいのです。

ただ,これ以上続けても禅問答になってしまいます。言語に乗らない情報を
MLで議論しても始まりませんのでこれくらいにします。続きは帯広で・・・

>アインシュタインのE=mc^2法則(質量はエネルギーと等価である)の発見
>も、原子爆弾の開発・製造・投下と同じような「悪」ということですか?

ですから,第三者である私は責めませんが,彼は責任を感じていた,いるべきである
と考えています。言いたいこと分かって頂けていると思いますが。

>また、社会的規制を視野に入れた時、技術の規制はコンセンサスを得られる可能
>性がありますが、科学(理系学問)の規制は「学問の自由」と抵触すると思われ
>ますが、どうなのでしょうか?

自由と責任はセットでしょう。結果責任は免れないと考えます。
私は,現実問題(環境劣化地における土壌微生物の多様性の減少)への対策という
非常に生臭い問題を何時も考えているために殊更神経質に成っているのでしょうが,
純粋科学という聖域的考えはやはり純朴すぎると感じています。

科学者も当然結果責任を負うべきで,仮に将来核兵器が地球環境を破壊すると
したら,アインシュタイン氏にも責任があると言わざるを得ないでしょう。

科学者がそのような自覚を持たないと「規制しろ」と言うような極論に説得力を持たせて
しまいますよと申し上げたいのです。

>ここは和尚、明らかに違います。
>反例:中高生までに、子どもたちは科学教育を受けていません。知識を詰め込ん
>だり、問題を解いたりしますが、それは科学的態度とは関係のないところで行わ
>れている、と思うのです。

言いがかりが過ぎましたか・・・失礼しました。
だけど,「問題を解いたり」,「知識を詰め込んだり」する時,無意識に単純科学的
世界観が作用していないでしょうか?
多くの場合,答えは一つで,詰め込む知識に自由度も低いでしょう。
答えが無数に有ったり,何を覚えても良いよととは先生は言いませんよね。

そう言う唯一絶対みたいなものを教え込むのが本当に教育と言えるんでしょうかねぇ?

私自身が,中・高生時代,問題児(先生の言う通り行動しなかった)だったので
学校教育に対して必要以上に斜に構えて居ることが一連の発言に繋がったことは
否定しませんが・・・・

>(3)社会の巨大化と個人責任

以下,納得です。

ただ,複雑な世界の面白さの一面として,非常に局所的で微少な変化が,全体の
変化を引き起こすことがある(今のところ制御不能)ということです。

(だから,実は人為行為の生態系への影響なんて本当のところは判らないんですよ。
小規模のモデル系で何も起こらなくても,現実の規模では予測もしなかった問題
が起こったりします。)

ですから,私個人は社会に対する自身の「ちっぽけさ」などを気にせず,自分が
正しいと思ったことを「直ぐ」行動に移すことにしています。

具体的には,自家用車は基本的に捨てました。毎日片道8キロを歩いて通っています。
出張先でも地下鉄やバスにも乗らずに早出で歩きます。排気ガスは相当吸ってる
でしょうが,取りあえず健康面は有意に改善されました。ストレスもたまらなくなりました。

出来る限りゴミは出さないように,ゴミに見える物も工夫して再利用しています。
商品の空箱・包装材の類は,子供の玩具にして,遊び倒してから古紙・資源ゴミにします。

自宅では冷房の道具は団扇,扇風機,水風呂です。食事は近間で採れたもの(粗食)
特に堅いものを食べるようにしています。残った生ゴミは畑の肥料にします。

PSもDCも,他のゲーム機も有りません。うちでは子供が,「みんな持ってる」なんていう
玩具は絶対買いません。そこへ行ってやって来いと言います。その変わりに段ボールで
自作したミニ4駆の大コースがあって友達が勝負しに来ます。

服の類は友人,親戚で使い回ししますから,最近お土産のTシャツくらいしか買ってない。

これで家族も文句も言わず結構楽しく(貧乏であることは良いこともあります)やってます。

以上のようにそんなに苦労しなくても,やれることは沢山あります。

そう言えば,車を運転しているときの自分の顔,見たことありますか(有ったら怖い・・・)?
道ですれ違う車の運転者の顔,みんな辛そうな(緊張した)顔してますね。
へらへらしてたら,それはそれで怖いですけど・・・・

人間には歩くくらいの速度が一番心地よいんじゃないかなと最近一人納得しています。

Kazunari Yokoyama, Ph.D.
Soil Microbial Ecology Lab.
National Institute of Agro-Environmental Sciences, Japan
Phone:+81-298-38-8300
Fax:+81-298-38-8199


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