[BlueSky: 2497] Re:1760 食用昆虫の開発とその一例(フィクション)


[From] Minato Nakazawa [Date] Fri, 24 Nov 2000 17:10:23 +0900

中澤@東京大学人類生態です。

昨日付けのNatureに,人類学のコラムとして,アマゾン住民の
昆虫食が重要なタンパク,脂質,ビタミンの源であるばかりか,
熱帯雨林の生態系の中で持続的に利用できる食物としてのエネ
ルギーフローも最高レベルだったというProceedings of the Royal
Society of London, Series B, 267: 2247-2252, 2000の
紹介記事が載っていました。

Natureの記事は,昆虫は木の葉というアマゾンで最も豊富な
植物質の資源を食べるので,栄養素について実に摂取効率がよく,
持続的だから,アマゾンの人々がその昆虫を主要な栄養源として
いることは,生態系の劣化を引き起こさずに自然資源を使って
自分たちの生活をサポートしているかを示す良い事例である,
といって締めくくられていました。

そこで,そういえば青空MLでも4月頃,昆虫食の話題で盛り
上がったなあと思い出し,過去メールを読み返してみたら,
後藤隆さんのフィクションに惹き付けられたので,遅ればせながら
コメントします。

(件名:[BlueSky: 1760] 食用昆虫の開発とその一例(フィクション)
に於て)
Thu, 13 Apr 2000 21:00:58 +0900頃,Takashi Gotoさん:
>  ■辛味目の食用昆虫の例
よく考えられているなあと思いましたが,これだけの機能を
実現するような遺伝子組換えをした生き物は,昆虫食が気持ち悪い
のとは違う意味でまた気持ち悪かろう(正体不明だからという点は
共通ですが)と思うので,やっぱり受け入れられないでしょう。

また,「古紙を食べたとわかっている,昆虫らしい外見をもった
生き物を食べる」という生々しさは,先進諸国では受け入れられ
にくいと思われるので,やっぱりハンバーグの原料とか食品工学
の材料になってしまうのではないでしょうか。

変なものでも摂取するのは,異常事態に限られると思うので,
薬になるとでもいえば,原形があっても受け入れられる可能性は
ありますが。

=====
Minato Nakazawa, Ph.D. <minato@sv3.humeco.m.u-tokyo.ac.jp>
Department of Human Ecology, Univ. Tokyo
[WEB] http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/~minato/index-j.htm


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