[BlueSky: 2430] 奉仕よりも生活教育を


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Thu, 5 Oct 2000 11:17:52 +0900

こんにちは、葛貫です。

佐藤@ミシガンさん:
> でも、別に見たくない人に、現
> 実を直視しなさいと動物をさばいている場面を見せたい訳じゃないですよね。汚い物
> や怖いものを「これが現実だ!」と見せるのはインパクトはありますが、単に見せる
> ことによって物事の理解が深まるかどうかは大いに疑問です。単に生理的な嫌悪感を
> 誘起させるだけで、しばらく肉食出来なかったりベジタリアンを作るだけのような気
> がします。子供はその点、柔軟で、おそらくは5-6歳ぐらいなら、当然のようにハン
> ティングで捕った獲物を捌いて料理しても食べる気がします。アメリカでは狩猟を一
> つの人類の文化として子供に継承していくと言うような面がある気がするのです。日
> 本は狩猟民族でないので、それに対する抵抗感が大きいかなぁ。

以前、研究室でルーメンの細菌を扱っていた弟が、「今日は、夕食、大学で
すき焼きするからいらない。」と言って出かけて行ったことがあります。
初めて、さばくところを見た時は喉を通らなかったようです。卒業する頃には、
平気になり、同じ研究室にいた、さばくのが上手な女の子と結婚したのですが。
#先程まで、屠殺方法が肉質に与える影響を評価した文献の抄録を作成して
#いたのですが、さばくのには技術が必要で、遊牧民は血一滴まで無駄に
#しない芸術的なさばき方をするとか。

家の近くに肉牛を飼っている牧場があり、子供が小さい頃、よく行ったのです
が、「ウシさーん!!」とか言いながら生きているウシを見た直後に売店で買っ
たタンを使って作ったシチューを食べことは、子供達にとって感慨深いものが
あったようです。実際、さばいているところに立ち会ったら、食べられなかった
だろうな、と思います。

釣に行って、その場で魚をさばいて焼いた時は、それほどショックではなかっ
たようです。ほ乳類や鳥類など、恒温動物だと抵抗が大きいのでしょうか。

脚本家の倉本聰さんの富良野塾では、 入熟した塾生に、鶏をしめて料理
する体験、農作業により収入を得る体験、自分達で木を整え、ログハウスを
建てる体験をさせる(させていた?)と以前、読んだことがあります。
使いやすい、きれいなかたちに加工されて提供されているものだけに接して
いると、生活するとは、食べるとは、生きるとは、という実感が、だんだん薄
れていってしまうように思われます。

「これが現実だ!!」と見たくもない人につきつけても良い方向の展開は
望めそうもないし・・・・。難しいですね。




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