[BlueSky: 2427] Re:2415 奉仕よりも生活教育を


[From] Minato Nakazawa [Date] Tue, 03 Oct 2000 15:15:51 +0900

中澤@東京大学人類生態です。

(件名:[BlueSky: 2415] 奉仕よりも生活教育をに於て)
Fri, 29 Sep 2000 00:33:53 -0400頃,Sato, Kenjiさん:
> 日本でも届け出るだけで自家屠殺は認められるはずです。
確かに,条文には「許可」なんて書いてありませんね。
ぼくの早とちりでした。届け出るだけでいいんですね。

>   ちなみに、”殺した”家畜は食べますが、”死んだ”家畜は世界中どこでも基本
> 的に食用にするのは避けます。
話の発端となった羊の場合,ビニール袋を食べて死んでしまったと
いうことで,病死ではないし,たぶん窒息死だとすれば絞めたのと
変わらないと思うので,食べても大丈夫だと考えました。

それと,人類の肉食の起源に関しては,アフリカでの霊長類の研究
などから,屍肉食から始まったという説が有力ですから,たぶん,
死んだ家畜だって食べても大丈夫な場合の方が多いと思います。

そこで食べるかどうかは害になる可能性などのリスクと肉を無駄に
しないなどのメリットとのバランスにかかってくるのだと思います
が,現代においては,食べないことで回避できるリスクの方を重視
しているケースが多いということでしょう。絶対的な根拠はないの
では?

> からもう親に付いて猟に行きます。もちろん猟銃で撃つのです。日本にいるときは知
> らなかったのですが驚くほどハンティングが盛んで、一般的です(・・・・また、別
> の話ですがアメリカの銃社会の根深さをみる気がします)。キジやカモやウサギ、七
> 面鳥、最高の獲物は、やはり鹿です。つい2週間前には弓矢でカモを捕る講習会をア
> ウトドア用品のお店が企画し、8歳ぐらいの子供も参加していました。捕った獲物は
> さばいて食べます。こんな体験を都市に住む日本のお母様方が肯定するとは思えない
> なぁ。
ぼくは銃,とくに散弾銃というものが嫌いですが,それは楽にとれ
すぎるからです。肉食獣がもともとほとんどいなかった地域を別に
すれば,世界各地で野生生物の乱獲が起こったのは,銃が使われる
ようになってからではなかったでしょうか? 弓矢猟や棒で叩く猟
なら,獲り過ぎないし,年をとって弱った獲物が大部分なので,持
続的に成立すると思います。環境負荷という面から考えれば,畜産
より小さいというメリットもあります(もちろん,生産性も低いわ
けですが)。自分で獲った獲物を自分でさばいて食べるのは,肉食
もする動物として当たり前のことですから,それを肯定しないとい
うのは,自分にとって都合のよい現実しか見たくないということで,
ある意味では責任回避といえるかもしれません。いかがでしょう
か?
# ちょっと歯切れが悪い物言いをしていますが,まだ考えがまとま
# っていないので,このくらいでご勘弁ください。

=====
Minato Nakazawa, Ph.D. <minato@sv3.humeco.m.u-tokyo.ac.jp>
Department of Human Ecology, Univ. Tokyo
[WEB] http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/~minato/index-j.htm


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