[BlueSky: 2422] Re:2413 永田農法について


[From] "yukio/sanae ikema" [Date] Sat, 30 Sep 2000 11:07:04 +0900

こんにちは。沖縄県宮古島の池間です。
2413番の
佐藤様へのレスポンスになっていますので
元メールから内容が外れています。

佐藤@ミシガン様wrote:

> カリフォルニア大学ではトマトの品種改良で有名な先生がいました。
> その先生が作ったトマトは壁に投げつけてもつぶれないのです。
> この改良で収穫やダンプカーでの輸送が楽になり、
> 流通コストを下げることが出来ました。

日本でも、落として割れにくいスイカが開発されたと
テレビで見ました。
表皮の繊維が密で、丈夫であるため
運搬しやすいのですが
食味はコメントしていませんでした。
これが売れるのかどうか、やはり消費者としては
食味を重視したいところだと思いますが
農業者にとっては市場の信頼を得るためetc
メリットとして受け入れられやすいかと思います。
以下さとうきびの話で

> 茎部分の収穫の後、葉っぱや頭頂部をそのまま畑に放っておき地面をカバーし、耕
起せ
> ずそのまま株出しをして生産を3年ほど続けました。もう一つの対照区画はきれい

> して起耕し再度植え付ける普通の方法です。意外にも2年目には放置した方でも害

> も来ず収量がほぼ同程度だった上、地面が繊維で覆われているために土壌の流出が

> えられたという結論を出していたと記憶しています。

種子島の九州農業試験場熊毛支場で見ましたが
沖縄など痩せ地向けの品種選抜のために
枯葉、収穫残さを全て畑の外に出していくと
宮古島では見慣れた
有機物に乏しい赤っぽい土の畑が出来上がります。
このように透水性が高く軽い土壌は
別の調査によると土壌害虫が好むようです。
その理由は未解明ですが
いま宮古島で大発生して問題になっている
コガネムシ幼虫(まだ種名も決まっていない)は
地中から掘り出すと歩けず転がっていますので
移動しやすいということなのかも知れません。
ただ
枯葉等の収穫残さはそのままにしておきますと
窒素飢餓をおこすので
後地でカボチャなどを作るときは
ある程度除去して
他でたい肥原料とした方が良い場合もあります。

付け加えですが
さとうきびの頭頂部=梢頭部(しょうとうぶ)と呼んでいますが
牛が好んで食べますので畜産農家が喜んでもらいに来ます。
地域によっては製糖歩留を良くするため
人力収穫時には問題にならないのですけど
ハーベスターでの収穫前の梢頭部除去が条件にされていて
担い手不足の折から
その重労働を誰が行うのか今後も続けなくてはいけないのか
物議を醸しています。

> さとうきび収穫後に大豆を輪作するのも一つの手かもしれませんが、
> 全く逆に、できるだけ手抜きすることによって、土壌流出を
> 抑えることが出来るかもしれません。

そのあたりは悩むところです。
耕起作業による土壌流出を緩和するためにも
減耕起栽培作業体系の確立は必須です。
試験場サイドは既に確立したといっているのですが
離島の痩せた土壌条件とか、作付体系に合わない点も多いです。
そこで地域の伝統農法の中からヒントを探そうとしている
ところだったりします。
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池間 早苗
宮古農業改良普及センター



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