[BlueSky: 2423] 永田農法について


[From] "Sato, Kenji" [Date] Sat, 30 Sep 2000 01:06:18 -0400

佐藤@ミシガンです。

邑瀬さん、レスポンスありがとうございます。
> 念のためにコメントしておきますと、肥料を与えると味が落ちるのではないと
> 思います。大量生産している作物はどうしても扱いが雑になったり、店頭に並
> ぶまでの時間が長かったりするので、完熟前(柔らかくなる前)に収穫します。
> その結果、糖度などの味に深く関わってくる成分の濃度が低く、水っぽい味に
> なります。肥料を多施したトマトでも、濃い赤色になってから穫って食べると
> 青臭くなくておいしいです。また、化学肥料と有機肥料とで味が違うというこ
> とも、ハウス栽培が露地栽培に比べて栄養価が劣るということもまずないです。
そうですね。自分の家庭菜園から取れたトマトとスーパーで買ったトマトでは肥料だ
けじゃなくて、収穫時期や、品種、取り扱いなど色々な条件が違って比較そのものが
無意味ですね。言われている事は全くオーソドックスな見解だと思います。でも、日
本では野菜の食味試験と肥料の関係は研究されているのでしょうか。果物はよくNIR
などを使った糖分の測定と施肥の関係など散見しますし、トマトも見たことあります
が、現実には機械で分析出来るものと我々の感じる味に十分な相関関係がないような
感じがするのです。たとえナトリウムやカリウム濃度が同一でも、ほんの少しの異物
が入っていることにより塩の味は変わります。人間が食べて評価する官能試験が一番
感度が良さそうなのですが、今度は人の好みと言うものが出てきて評価が一定しない
し。そんな状態で施肥と味の関係を調べて十分な精度で断言出来るのでしょうか。

現在の栄養価の評価の方法についても私は非常に疑問を抱いています。栄養学の本を
パラパラとめくってみればわかるのですが、食物の持つエネルギー量(ご飯一杯で何
カロリーと言うやつ)はボンベ熱量計っていう酸素を多くした容器の中で完全燃焼さ
せて発生する熱(燃焼価)に消化吸収率をかけたものなんですよね。何か原始的な感
じがする。もちろん最先端の機器を使ってビタミンの種類と量や、糖質の種類、微量
元素に至るまで分析は出来るし、多寡はわかるのですが、でも、それらを寄せ集めれ
ば本当に栄養価がわかるのでしょうか。ビタミン量、糖分は同等、繊維素、ミネラル
の分布が少し違うけど、この2つのトマトは栄養は同等ですと言ってしまう・・・現
在の栄養学ってまだまだ未発達な感じがする。


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