[BlueSky: 2410] Re:2386 野生動物の保護と利用


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Thu, 28 Sep 2000 21:17:08 +0900

こんにちは、葛貫です。【2386】のフォローです。

葛貫:
> 保護したゾウが増え過ぎて、どう対処したらよいのかケニアでは
> 苦慮しているようです。
> 日本でも、激減して天然記念物に指定したニホンカモシカが増え過ぎ
> て、林業に食害を及ぼし、深刻な問題になっています。

きょうのNatureのBioNewsに
「ゾウの避妊薬 南アフリカ共和国で実験に成功 」という記事がありました。

******以下引用******

「野生動物の個体数をコントロールすることは深刻な問題だ。ゾウの数は、
北アフリカの国々では絶滅の危険があるほど減っているが、南アフリカの
ゾウの繁殖はうまくいっていて、自然保護にたずさわる人々は、ゾウを間
引かなければならなくなっている。南アフリカ共和国と米国の研究者たち
は今回、ゾウの個体数をより人道的にコントロールすることができる避妊
薬を開発した。
・・・中略・・・
国立公園の自然保護担当者は、ゾウの群れが大きくなりすぎると環境を
害するほか、他の種の生物を脅かす可能性があると話す。彼らは、年に
一度のゾウの間引きを1967年に始めたが、旅行者と動物愛護グルー
プの抗議を受け、1995年に中止している。このため、国立公園や自然
保護区では、ゾウの数を減らす、もっと人道的な方法が必要になっている。
・・・中略・・・
ゾウの避妊には政治的な反対もある。それは間引きを主張するグループ
の反対で、彼らは、ゾウを間引きをして得られる肉は周辺地域の重要な
収入源となっていると主張している。しかし、Bertschinger は、「ゾウの肉
による収入は、観光収入にくらべれば大海の一滴のようなものだ」と話す。
彼が考える、長期的にもっともよい解決方法は「平和な公園」だ。つまり、
よりたくさんのゾウを収容できる、国境をまたぐ巨大な自然保護区である。」

*****引用終わり****** 

また、ニホンカモシカではないのですが
「環境庁、“エゾシカとの共生”道東でモデル事業」(北海道新聞 2000年9月27日)
http://news.yahoo.co.jp/headlines/hkd/000927/loc_news/15300000_hkdnws020.html
「エゾシカによる農林業被害が深刻化する中で、環境庁は道東地域で
エゾシカの効果的な捕獲や食肉活用などを通じて、人と野生鳥獣の共存を
図るモデル事業の検討を始めた。・・・後略・・・」
という記事も、見かけました。

ここ数日の間、朝日新聞に調査捕鯨について、「米国の制裁を受けて
までするほどのことじゃないじゃない?日本人がクジラとって食べてる
から、欧米人にアジアは野蛮な未開国みたな偏見持たれちゃうのよ」
というような論調の記事が2回載りました。一回はニューヨーク大学の
教授だという人、もう1回は朝日新聞の記者が文責を明らかにして書
いていました。この人達は、どの程度の範囲の知識を持って、どの位
のタイムスパンでものを考えて書いているんだろう。世界の食糧事情
が悪化し、畜産物が贅沢品になるかもしれない、何年か後に、この
記事を読み返えすことがあったら、どう思うんだろう。
その時は、何て書くんだろう。

鯨類の生態、資源量、他の生物に与える影響については、わかって
いることの方が、少ないです。何をどれだけ溜め込んでいるかわから
ない鯨肉を食べたいとは思わないけれど、今後のために、ちゃんと
データを取っておいた方がいいのでは、と思います。






▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。