[BlueSky: 2384] Re:2383 調査捕鯨拡大にたいして、米が制裁発動


[From] yuichiro komiya [Date] Tue, 19 Sep 2000 17:11:22 +0900

小宮です。

調査捕鯨に関して、こんな資料がありました。

鯨類捕獲調査に係る農林水産大臣談話
http://www.jfa.maff.go.jp/rerys/12.09.14.2.html

これには、調査捕鯨の目的として
・鯨の捕食が漁業に与える影響の解明
・鯨の系群構造の解明
・海洋汚染が鯨類に与える影響の解明
があげられています。

平成12年6月8日 水産庁プレスリリース
http://www.jfa.maff.go.jp/rerys/12.06.08.1.html

これによると、日本が調査捕鯨を拡大したのは、従来の
調査目的に加え、海洋生態系における鯨類の役割の解
明(鯨類と漁業の競合)が目的とあります。ただ、日本の
強い態度を見ると、表向きの資料には載せないだけで、
根底には商業捕鯨再開の意図があるのかもしれません
が。


ところで、ちょっとこれらの資料を見て思ったのですが、
捕鯨を再開しようとするのならば、これらの資料にある
ように科学的正統性をいくらあげてもだめなのではない
でしょうか。捕鯨に関してはどうもアメリカと日本では
議論の論点がくいちがっているように思えるのですが、
まわりを海に囲まれて長年水産物を主要な食料として
きた日本と違って、鯨油をとるために乱獲してきたが、
食料にした経験は持ち合わせていないアメリカは、
おそらく鯨を資源として見る視点は持ち合わせていない
ように思えます例えば、アフリカ象や、
その他の野生哺乳類としての方が感覚的には近いの
かもしれません。そこで、いくら絶滅の恐れがないから
といって鯨をとるということは、象が多いからといって
象牙のために野生の象を殺すことを認めることのよう
に思えるのでしょう。で、食料にはことかかない
日本が、なぜ贅沢のために野生動物をとる必要が
あるのか!ということになるのでは?

したがって、日本が捕鯨を再開しようと思うのならば、
科学的データや法的根拠の正統性に訴えるのではな
く、日本にとって捕鯨というものがどれだけ意味がある
ことなのか、単なる贅沢のためではなく、文化的な遺
産として、又、持続可能な資源としての捕鯨の重要さを訴
えるほうが得策だと思います。(もちろん、捕鯨反対の
方にも日本側の立場を理解する必要があると思いますが。)
法的に正しいからといって強行に捕鯨を再開しても、
他国との間に深い溝を残すことになるのではないでしょうか?




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