[BlueSky: 2363] Re:2359 労働と教育

[From] ｈａｓｅｇａｗａ [Date] Fri, 15 Sep 2000 22:58:01 +0900

長谷川です。
> 長谷川さん、はじめまして、こんにちは。
→こんにちは。
> 【敵を作ることで集団の結合意識が高まる】ことは真実でしょう。しかし、だから
といって、それが【欧米等の個人主義的環境で育つ子に比べて、日本はいじめで深く
追い込まれることが多い】という命題の真実を保証するものではないでしょうし、ま
して原因であることを示すものではないでしょう。
→言葉足らずだったようです。
欧米では、人と同じ事をすることはマイナスのイメージで
とられます。
日本では、人と違った者、違ったことをする者は
「出る杭」とでも
いうのか、その集団からはマイナスイメージで
とられます。
日本の子供は、「傘の色の違い」等の些細なことでも
気にします。ましてや、見た目や声・など、
生まれ持ってその人が持っているものが「個性的」
な場合、からかわれる対象・いじめの対象＝敵とされがちです。本人が変えることの
出来ないことであり、
いじめという「行動」が主である集団になった場合、
敵を意識すればするほどいじめは強まり、
いじめという「行動」を集団が達成すればするほど
構成員の帰属意識は高まるという状況が起こりえます。

> 僕が述べた地域の状況は今から３０～５０年ほど前の事柄です。その当時の日本
は、今よりもずっと「個人主義」の度合いが弱かった、と思います。同時に、こども
の「いじめ」も話題にすらならなかった時代です。
→後藤さんの地域の子供に「いじめ」がなかったとしても
日本になかったとは言い切れないと思います。
あっても、「話題」にしなかった、つまり、打ち明けること
が恥じとされた時代だったのではと思います。
＜うまい表現が浮かばず、不快な思いをされていたら
申し訳ありません＞

> ・・・その子(僕より、３，４歳上）に、僕の頭ほどもある大きな石を上から振り
落とされたことがあります。おかげで、天才となるべき頭脳が壊されてしまったのが
悔やまれます（というのは嘘)。
→大丈夫だったのでしょうか？読んでるだけで、
痛いです。

> 【敵を作ることで集団の結合意識が高まる】ことに戻ります。地域の中で子ども集
団が敵対関係になったことは、少なくとも僕が知る限りは全くありません。また、集
団内部で「戦争ごっこ」を初めとする、遊びとしての「敵対」がふんだんにあったこ
とは、今日の「いじめ」を考えるうえで重要な点だと思います。
→前回のメールで「特に女の子」はと書いたのは、
男性と女性では自我の形成期が違うからです。
　男の子はウルトラマン等の闘争系の「ごっこ遊び」を
します。そこでは、誰でも入ることができますが、
完全な実力社会で、いかに自分をアピールするか
を競います。そういう意味で、子供、特にごっこ遊びを
するくらいの年齢の男の子にいじめは少ないと思います。ちなみに、（話が脱線して
ますが）女の子は、2-3人で遊び、グループの結合は「秘密の共有」にかかっていま
す。秘密を誰かに漏らすと、いじめが始まります。

僕なぞは、二つの女グループの奪い合いの餌食にされて困惑したものです。＊＊君、
私とあの子とどっちとるのよ！ただし、いじめはありませんでした。
→いい少年時代を送られてますね。
後藤さんは複雑だったと思いますが。

> ちょっと読み違えちゃったのかな？「親 (大人）のおしつけ」は、「親(大人）の
お躾」ではなく、「親(大人）の押し付け」のことです。
→誤読しました。後藤さんが言いたかったのは
当時の子供は「自由度」が高かった、ということでしょうか？
最たるものは、
> 石投げ合戦です。＿－－ーーー＿　左図のように、2，30メートル離れたと
ころのくぼ地が互いの陣地です。打たれて泣いて帰っても母は慰めてはくれず、や
り返してきなさい、と言うだけでした。
→どろ投げ合戦で年上の子に目に入れられ
眼科に行った（暴れたのでロープで縛られた）思い出があります。しかし、石とは・
・・すさまじいですね。

> さて、肝腎の「押し付け」ですが、遊びについて言うと、それは、親(大人）に遊
ばせてもらってる、ということです。遊びは、子どもの創造性を育てる場でもありま
すから、遊ばせてもらっていては駄目なのです。
→たしかに、子供の遊び「創造力」には感心させられます。それを、奪うことになっ
たらもったいない。

> より全般的に言うと、「お受験」に象徴される、親の道具、玩具としての子育てを
指すつもりで「押し付け」と言ったのでした。

→子が嫌がっているのに、親の所有物かのように
ムリヤリやらせるのは私も反対です。
しかし、マスコミ等で言われている激しいものは
別としても、勉強って楽しいですよ。
学問はそもそもギリシア人の遊びだったのですし、
塾講師をしていたとは前に言いましたが、
講師側もいかに「勉強」を「楽習」に
変えるかに必死になっています。例えできなくとも
子達がクイズ感覚で解く姿・良い文章から何かを感じ
取っている姿はかわいいです。

> でもね、母親に叱られても、隣のおばさんに慰めてもらうと、にこっとできます
よ。
→隣のおばさんの、「痛いの痛いの飛んでけー」
を思い出しました。

> 【価値観の多様化】って、何でしょうか？本当に、多様化してきたのですか？

多様化していると思います。うまい例が浮かばないのですが、親としては
①お受験で、私立の学校で学ぶことを必要と考える人もいますし、
②公立で色んな子と過ごすこと
③運動を頑張ること
④音楽等の芸術に励む
⑤宗教的活動に励む
⑥自然に触れるようボーイスカウトを勧める
⑦料理等の技術
等がありますし、子に勧める本や服も異なるでしょう。
注　「グリム童話」を勧める人も嫌がる人も
　いい物（高いもの）をあげることに意味を持つ人も
いれば、贅沢をさせないことに価値を置く人もいる。
おこずかいの金額も人それぞれでしょうし。
→先ほど、基本的な躾は変わらないとありましたが
親としてヨソの子を叱ったときに、「ウチはこういうやり方なんです！」と、一度で
も言われると萎えてしまう
と思いますし、やはり叱る前に戸惑ってしまうと
思います。

近年の子どもたち（長谷川さんの世代を含みます)は、親（大人）に叱られた経験が
余りない（または、殆ど全くない）ケースが多いような印象を受けます。どうでしょ
うか？
→そうですね。私は一人っ子だったので、逆に両親が
「甘えさせない」ことに神経質だったようでヨソの子よりも
叱る基準が厳しかった。子供の生意気さに原因があると思いますが、「怒る」ことは
できても「叱る」ことができない大人にも原因があるとはいえないでしょうか？
　「叱る」とは、子供の成長を願った上での理性的かつ、
論理性を持った行為であり、大人自身叱る基準を日々行動で示していなければなりま
せん。大人の言行不一致、一貫性のなさは子供にすぐに見抜かれ、その場の感情で怒
られると「反省」した振りだけしてその場を切り抜けるという狡知にたけた子になっ
てしまいます。叱るスキルと自分に対する規区を持っている大人が少ないのではない
でしょうか？　
＜これは自分にも言い聞かせながら、書いてます。＞

▲前の記事へ　 ▼次の記事へ　 △記事索引へ　 △青空ＭＬトップへ

（注）この記事が最新である場合，上記「次の記事へ」はデッドリンクです。

[BlueSky: 2363] Re:2359 労働と教育

[From] ｈａｓｅｇａｗａ [Date] Fri, 15 Sep 2000 22:58:01 +0900

▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空ＭＬトップへ

▲前の記事へ　 ▼次の記事へ　 △記事索引へ　 △青空ＭＬトップへ