[BlueSky: 2358] Re:2357 調査捕鯨拡大にたいして、米が制裁発動


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Fri, 15 Sep 2000 14:40:39 +0900

こんにちは、葛貫です。

小宮さん【2357】:
>しかし、こと鯨やイルカに関しては、知能の高い動物として、欧米では食料
>として見るのはやめようという傾向にあると思います。これは日本でもそう
>いう傾向は広まってきているのかもしれません。アメリカがここまで強行に
>調査捕鯨拡大に反対するのは、いくら科学的に見て絶滅の危機がないから
>といって、感情的には納得がいかない、ということなのでしょうか。

小宮さんのご指摘通り、捕鯨問題は科学的な問題ではなく、社会的、
政治的な問題なのだと思います。
食物連鎖の頂点にある鯨類の個体数の変動要因はとても複雑で、
人による捕獲行為そのものがクジラの個体数の変動に与えている
影響を抽出することは、まず、できないんじゃないかな、と思います。
また、人が鯨類を捕獲しないことが、他の生物に与える影響も、把握
しきれないと思います。
他の問題だって、社会的、政治的な立場を正当化するために、科学
的なデータを集めていると言った方が、あたっているものが沢山あります。

何で読んだのだか思い出せないのですが、わら等、農作物の副産物を
エネルギー源としてのメタン発酵に使うより、肉やミルクにかえる畜産
業にまわさなくっちゃ、ということを言うために資料を取りそろえていた
西洋の研究者の文献を見ました。これは、化石燃料業界や、食肉文化
を維持拡大したい者にプラス、新エネルギー開発に関る者にはマイナス
な要素を持っている。(研究にかかわった金脈、人脈を知りたいところです。)

昨日のNature http://www.natureasia.com/japan/index.html.ja
のBioNews に、「環境問題 : 牛の作るメタンで地球が熱くなる 」
という、以下の記事がありました。

・・・前略・・・
二酸化炭素が地球をくるむ毛布のようなはたらきをするとすれば、メタン
の方は断熱効果15トグのキルトの掛け布団を二重にした位の効果がある。
・・・中略・・・だから、メタンの発生量を減らすことは地球温暖化により直接
的な影響があるといえる。発電所、採炭といったことだけでなく、イネの栽
培などによってもメタンは発生するのだが、人為的な発生のほぼ5分の1
までは農場に源を発するものである。牛が飼料を消化する際に、腸内に
いる細菌が飼料を分解発酵することでメタンが発生するのだ。実際、一頭
の牛が一日平均約600リットルのメタンを作り出す、とKaharabataらは述べ
ているが、これは大きいゴム風船400個を膨らますことができる量に相当す
る。牛の放出するメタンの量は以前にも推定されたことはあったが、今回の
値が最も正確なものだとKaharabata らは確信している。・・・中略・・・家畜か
らのメタン放出は、カナダでは論争の的となっており、すでに家畜の数を制
限あるいは減少させようという要求まで出てきている、とKaharabata は付け
加えている。
・・・後略・・・

温暖化抑制を楯に、欧米人に畜産や酪農を減らすべきだと言ったり、
感情的になっていいのなら、「神聖な牛を食べるなんて、ふざけるな」と
いうヒンズー教徒がでてきたっていいわけで・・・・・・。

>日本政府もあまり感情的にならず、アメリカとの妥協点をさぐるほ
>うがいいのではないでしょうか。

次には、マグロもカツオも食べちゃいかん、と言い出しそうです。

いつまで、米国が世界を繰れるんでしょうね。
イスラム教徒は屈しないだろうな・・・・・・。




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