[BlueSky: 2290] Re:2288 微生物研究の現状


[From] Akifumi Murase [Date] Wed, 30 Aug 2000 19:34:14 +0900

邑瀬です。横山さん、コメントありがとうございます。

> 邑瀬さんってもしかして某O大学のY学部の邑瀬さんですか?

ドキッ! そうです。今は農学系の古巣に戻っていますが。
(私的なコメントで申し訳ありません。> みなさん)

> 例えば醤油、以前老舗の醤油の工場に見学に行ったのですが、もろみ段階で今でも何が
> どうなって醤油ができるのか分からないとか・・・・だけど美味しい醤油であることは
> 事実。(以下略)

そうですね。中身がよく分からなくても良い物はたくさんあります。

# かと言って、20年ものの醤油とか100年もののぬか漬けとかを平気で食すの
# もどうかと思いますが。

> その反対に説明は良く解るけど、複雑な系を解析的に説明しようとして事実から乖離
> した??菌がその逆の例ですね。開発者自らが行っていた効果試験で彼らが言ってい
> る効果が無いことをこの眼で見ましたからね。質問されて開発者は「効果が出るまで
> 使い続けろ」と言われてましたが・・・・

これは効果がないのにいまだに結構広く使われていますね。実は先日偶然にも、
身内の知人から使ってみてはと薦められましたが丁重にお断りしました。(^^;
説明に使われている写真からはすごく効果があるように見えますが、対照実験
の設定の仕方が誤っていました。

このことは微生物を用いた製品に限らず、一般によく見られます。例えば、二
日酔いを防止するというある食品の特許申請書を調べたところ、その実験内容
は次のようなものでした。その食品の効果を調べるために、
・日本酒だけを摂取した人
・日本酒と同時にその食品を摂取した人
について、二日酔いがあったかどうかを比較しています。これでは実験として
不適当です。(本来なら、「日本酒と同時に何かほかの食品を摂取した人」を
対照にする必要があります。)もしこれが食品ではなく、薬品としてのものな
らばこのような不適切な実験では通りません。

話がそれましたが、微生物を用いた製品ついては、(中身がよく分からないだ
けに)薬品なみのしっかりした実験をして効果を確認した上で、販売(配布)
を認可する必要があると思います。

> だけど、こう言うのに関心を持つ人って真面目で環境のことを真剣に考えている人が
> 多いですね。だからこそ良い物を見分けて欲しいです。見えないってこともあるし、
> 物質循環の要でもある微生物に環境浄化を求める心理は理解できますから、これだけ
> 色々出て来てる以上は商品だからって知らん顔してるだけが公的研究機関の態度じゃ
> ないような気がしますね。

よろしくお願いします。(笑)


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